貴方に心を托します




「劉備殿」

「…どうした?」



やっと手に入れた地の夕日を見つめる主君の下に、

馬超は現われた。



まだ降って間もない部下に、心安く劉備は笑顔を向けた。

その笑顔は夕日とともに馬超の心を熱くする。



「いえ…殿のお姿が見えたので。」

「そうか。顔を見に来てくれたのか?」



冗談を言うようにまた笑みを深くする。


馬超にとっては冗談でなく顔を見に来たので、少し頬が赤い。

夕日のおかげで気づかれなかったが。



ひとつせき込むと、馬超は改めて問うた。




「お一人で…どうなさったのですか?」

護衛もつけないなど無防備ではないかと少し注意を促す。

国盗りをしたばかりの今では、危険な目にあう可能性も少なくない。




「そうだな。だがお前が来たから大丈夫だろう。」



「……。」



うまく躱されてしまい、馬超はまた黙り込んだ。

それを見た劉備はまた少し笑って、夕日に、

夕日に照らされる町に視線を戻した。




そして穏やかな声で言った。




「…もう少し見ていたいのだ。
 私や、皆の国を…な。」




「…。」



馬超はその言葉に、主君の横顔を見つめた。


なんときれいなひとだろう。



馬超は生まれて初めて人に見とれていた。



あなたならきっと
このまよいこころを導いてくれるだろう。




我が心はあの時からすべてあなたのものだ。





end



ばちょくん劉備さんにふぉーりんらぶ。
なんか無双5でだいぶ地味になったような…。
かっこいいですけどねv


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