「姉様、あんな男もいるのね。」
「ホントねソニア姉様。
ハンコック姉様の虜にならないのもびっくりしたけど、
天竜人も恐れないなんて…。」
「…そうね。ソニア、マリー。」
不思議な男。
邪心も持たず覇王の覇気を持ち、
驕る事もなく自然体で。
何より…誰も受け入れられない自分たちの鎖も受け入れてくれた。
あの男に話した事で心がいつになく軽い。
私達だけで背負っていた秘密をあの男は、ルフィは受け止めてくれたのだ。
「…まだあのような男がいたのだな…。」
小さく呟き、一つ吐息をもらす。
今日の出会いから先程までのルフィの姿が脳裏に次々と現れる。
「…さあ、船の準備をしなきゃいけないわ。
明日の朝には出港だもの。マリー行くわよ。」
「ええ。」
「……!」
ズキリ
「え…?」
何だ
これは。
「それでは姉様。私達は失礼します。」
「あ…ああ。頼む。」
妹たちは部屋を出る。
気付かれなかったようだが…。
何だ?
胸が急に…。
たださっきソニアが出港は明朝だと…。
「うう…っ!」
苦しい…?
どうして。
こんな苦しみ感じた事がない。
(だから俺天竜人嫌いなんだって!)
ルフィ。
(目的地を言え!船を貸そう!)
(本当か?!)
ルフィ。
(ありがとう!)
ルフィ。
ズキンズキンズキン
膝が折れる。
立っていられない。
どんな敵の前でもこんな事はなかったのに。
「助けて…。」
「蛇姫様?!どうなさったのです?!」
ああ、侍女の声がする。
「苦しいのじゃ…。」
「大変!誰か医師を!!」
助けて。
ルフィ。
いかないで。
そばに
いて。
end
ワンピ53巻、新キャラハンコック様があんまり可愛らしいのでつい勢いで;;
発病した瞬間(笑)
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