君は先の分らない道を進むのに僕はその場から進めずに…
「われわれトランシルヴァニアの人間は、死の明るい面を見るの。」
「死に明るい面が?」
「あるわ。見えにくいだけ。」
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「アナ。君の言ったとおりだったな。」
あれから何年たったのか、もう分からない。
世界の風景が変わっていく中で、オレは。
私はなにも変われないでいる。
すべての記憶を取り戻したとき。
自分はすべてを失っていたことを思い出した。
それでもなくならないもの。
そのせいでまだ私はさまよい続けている。
「君の言っていた明るい面を今は望み続けているよ。アナ。」
そのとき、自分は本当の故郷に帰れるのに。
この血と恨みと、それと同じくらいの愛と呼ばれる感情にあふれた世界を去って。
それでもまだ私はここにいる。
あの時のまま、この世界にたたずんでいる。
それはまだ、私が。
彼が。
世界を捨てられないのだから。
end
世界大戦中くらいのイメージです。
ガブリエルはまだ帰れない、帰ると世界が滅びるから、みたいな雰囲気です。
長編でこうなる予定は…ないと思いますv(おや?)
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