目覚め損ねた自覚








全身に滾る力を、ただ溢れるままに使った。

一瞬一瞬に熱い命の感覚を求めてきた。



安らぎなどいらぬ。


俺を悦ばせるのは命の奪い合いのみ。
それだけだ。それだけでよかった。



それだけで。




「呂布殿であらせられるか。」



なのに、その瞳に出会った日は違った。
共にいて、共に酒を酌み交わし、



一晩、いた。
それだけの時間が初めての感情をもたらした。



これがやすらぎだ。


そう知ったのはずっと後になってから。



遅かったかもしれないな。劉備。

知っていればあの感覚をもう少し長く味わえたのだから。



だがそれでも俺はお前を裏切っただろう。

そうしなければお前は俺だけのものにはならないから。




それが俺だから。




きっとお前は知っていただろうがな。





######

「不思議よのう、劉備。
 この呂布の死顔…笑みを含んでおる。」



「…ええ、不思議ですね。」




「何に満足したのか…。

 わしには見当がつかぬ。そなたはどうかな。」




「さあ、私にもわかりませぬ。
 知るのは呂布本人のみでございましょう。」






「それでよろしいのではないですか?」





end


ありがちな展開ですがCPはマイナー、
呂布×劉備です。
個人的に呂劉ソングな「Meteor」のイメージもちょっと入ってます。
また改めてちゃんとした形にしたい話ですね。



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