全身に滾る力を、ただ溢れるままに使った。
一瞬一瞬に熱い命の感覚を求めてきた。
安らぎなどいらぬ。
俺を悦ばせるのは命の奪い合いのみ。
それだけだ。それだけでよかった。
それだけで。
「呂布殿であらせられるか。」
なのに、その瞳に出会った日は違った。
共にいて、共に酒を酌み交わし、
一晩、いた。
それだけの時間が初めての感情をもたらした。
これがやすらぎだ。
そう知ったのはずっと後になってから。
遅かったかもしれないな。劉備。
知っていればあの感覚をもう少し長く味わえたのだから。
だがそれでも俺はお前を裏切っただろう。
そうしなければお前は俺だけのものにはならないから。
それが俺だから。
きっとお前は知っていただろうがな。
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「不思議よのう、劉備。
この呂布の死顔…笑みを含んでおる。」
「…ええ、不思議ですね。」
「何に満足したのか…。
わしには見当がつかぬ。そなたはどうかな。」
「さあ、私にもわかりませぬ。
知るのは呂布本人のみでございましょう。」
「それでよろしいのではないですか?」
end
ありがちな展開ですがCPはマイナー、
呂布×劉備です。
個人的に呂劉ソングな「Meteor」のイメージもちょっと入ってます。
また改めてちゃんとした形にしたい話ですね。
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