無垢な瞳で、残酷すぎる目で








その日、恋人の弟はとんでもないことを言いやがった。


「オレ、お前のこと好きだ。さるの。」

「はあ?!…何、言ってんだ?」



屑桐無汰。

今現在オレ…猿野天国と…ぶっちゃけ絶賛交際中の屑桐無涯さんの弟だ。


まだ小学5,6年のガキ。

そのガキがまっすぐ俺を見て、愛の告白をかましてきたのだ。



俺がぱにくっても責められる奴はいないだろう。



いや、その前にこれって冗談だよな。
うん、それが常識的な答えだろう。



「本気だからな、オレ。」



「…。」



早速退路断ってくれちゃいましたよこの子。
いや、だからってどういえばいいわけ?



オレはお前の兄ちゃんとつきあってるわけで。だから応えられなくて。

だからって説明できるわけもなくて。



「お前が無涯兄ちゃんと付き合ってるのは知ってる。」



……なんて優秀なお子でしょ。
明美びっく…。



「って、何で…それ…!!」



「でも好きだ。

 無涯兄ちゃんがライバルでも関係ない。

 オレを見てほしいんだ。」




「…。」




呆然っつーか唖然っつーか。
とにかく言葉を失った。


似てたからだ。



オレの好きなこいつの兄貴に。

こんなまっすぐな目で、あの人も言った。

まいったよな。




「好きだ。」



そんな眼で言わないでほしい。



頼むから。


…頼むから。


end



やりましたv超マイナー!
っていうか子供に揺れてますよ天国クン。
がんばれ兄さん。弟に負けるなv


戻る