なお主人公にも予測不可能なことが起きますゆえ




「あれ?お姫様は?」


「あんまり息巻いてるもんだからな。

 『お気の毒』にも眠ってもらった。」



気の強い姫を噴射型の薬で眠らせた後、

ヘルシングは蔵書を調べるカールのところへ向かった。

カールに事の次第を告げると、納得したように書物に目をもどしながら答えた。



「そっか。まあ朝まで動かないほうがいいだろうね。」

「しばらくはここで調べものだな。」

「あれ、手伝ってくれるの?」



膨大な蔵書に手をかけようとするヘルシングを、カールは意外なものを見るようなまなざしをして聞いた。



「それ、ヘブライ語だけど?」

「…問題ないようだ。」



すでに眼を通していたヘルシングは、自分が読んでいる言語が難解な古代の言葉であることに気づき、少し驚く。


「…ほんとすごい語学力だよね。」

「……。」




カールはまだ聞きたいことがあったが、それ以上は問うことができなかった。

ヘルシング自身が最も不思議に思っていただろうから。




ヘルシングはその時、自分がヘブライ語を読めること以上に別のことに驚いていた。



その書物を、読んだことがあるような気がしたのだ。

あの時はもっと温かい想いの中で。





(私は気に入らんな。予測できん。)
(それが面白いんだろう?…。)




なんと呼んだだろう、相手を。




########




「ようやく戻ってきたな、ガブリエル…。」


ウルフマンの五感は、すべてドラキュラの下に届いていた。
その情報の中に、この7年探し続けていた気配があった。



これは予測不可能だ。きっとお前にとっても。




「さあ、私のもとに来るがいい。」




ウルフマンはゆるりとヴァレリアス城へ。



予測不可能な物語が動き出す。




end



VHはこういう感じの話ばっかになりますね;;
ワンパターン。



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