臆病な自分を晒せない臆病さ




あいつに会ったときに歯車が回り始めた。
 

 かちりかちりかちり
 かたかたかたかた



 かたたたたたたたた




 止めていた歯車
 動いて走り出して



 もう止まらないのに。


 こわい


 もう傷つきたくないのに。



 だけど遠ざかれなくて。


「オヤジ」


「アニキ」





 もう呼ぶな。

 呼ばないでくれ。


 俺たちは 振り返ることすらできなかったはずなのに。


 振り返らずにはいられない。


 いとしいこ。


 また あってしまった。





 父と兄より、息子へ、弟へ。
 強気の中に隠れた二人自身も知らない
 無意識の声なイメージ。
 超短文。すみません;;


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