救われる気がしたんだ




ジャック・イル・ダークとのライブを終えた後の話。


冷や冷やしたライブも、クラウザーの帰還で無事(といってもいいと思う)終わった。

しかもデスメタルの帝王に認められた形で。


まあこいつにとっちゃ不本意なんだろうが。

正直オレはほっとしてる。



なんだかんだ言ってこいつの才能は本物だ。
それはごまかしようのない事実だからな。


そんな奴と一緒にメタルシーンを駆けあがれるなんざ、こんな幸運もう拝めねえよ。



「よ、おつかれ。」

「…うん。」



クラウザーのままで外を眺めてたそがれてる奴にねぎらいの声をかける。

どうも反応悪いな。まあいつものこったけど。



「どした?さっきのコにはちゃんと謝ってんだろ?」

「…うん、許してくれた。」


ライブでクラウザー化してステージに上がってきた女の子にえらいことしてたからな。

こーゆー場に慣れてなかったみたいだからショック受けさせたんだろう。


しかもこいうのガールフレンドらしい。
…隅におけねーと思ったもんだ。



まあクラウザーはDMCのもんだが。



「で?何考えてんだ?今。」

「…うん…ちょっとね…。」



相変わらず歯切れが悪いな。




「どうしたんだよ?」




「…クラウザーって…僕にとって何かなって思って…。」



「はあ?」



「…DMCを、クラウザーをやることは僕にとっては嫌なことだった。
 
だけど…クラウザーが僕の夢を…誰かに夢を見せることを叶えてくれる…。」



「…根岸?」

「まだ…僕は僕の好きな音楽を捨てられない…けど…。」


「根岸…。」



「クラウザーも大事だ。」



「…そっか。」



決心した声に、オレは少なからず安心する。
こいつの才能を、こいつ自身が望んでくれるなら。



「それから…ありがとう。」

「?なんだよ。」


「手紙…嬉しかった。」



「…おう。」



…恥ずかしいやつ。

そう思いながら、オレはクラウザーの頭を撫でた。

無性にそうしたくなった。らしくねーけど。




「魔王の頭なでるなんざ貴重な経験だな。」

「…そうだね。」
ふっと笑って。


根岸は、クラウザーは言った。



「これからも頼むぞ、ジャギ。」




end




というわけで、映画の感動をそのままぶつけましたーv
CP要素はほぼなしですけど。
映画での和田くんはだいぶ軽かったけど、手紙にはじんときました。
ので、こんな感じで。
明らかに性格変わってますけどね;
クラウザーさんの恰好で根岸君がしゃべるのに萌えてます。^^;) 


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