憂さ晴らし、その雨





「てめっ…。」

「あっバブリシャス!」



憂さ晴らしの素振り。晴れない憂さ。


もやもやした気持ち。


苛立ち。不満。不安。くやしさ。

後悔。



そんな厭というほど嫌な感情があふれかえっていた。


そんなときに会った。



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「っだ〜ちくしょ…。」

ばたり、と意地の張り合いで酷使した体を布団に横たえた。

もうすでに体力という体力は使いきった。
雨に濡れた体を軽くぬぐい服を脱ぐくらいしかできずに。



汚れた体は文字通り泥のような眠りについた。




何も考えてる余裕はなかった。




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気がつくと、朝。



「ミヤ…五秒以内に起きないと尻が4つに割れるング…。」

「はっはい!!!」



ほぼ脅しにかかる優しい先輩の声に起こされた。



(…とりあえず、シャワーを浴びねえと気持ち悪ぃ…。)

ぼんやりとした頭で昨日のことを思い出す。



それと同時にやらなければいけないことを思い出した。




「…そうだ、詫び入れいっとかねえと…。」




すんなりと謝罪する気持になっていたことに気づく。

ふと、あふれかえるほどだった嫌な気持ちも消えていた。




何故かは、わかったけど。
そこまで素直に認める気持にはまだなれなくて。





雨にあたったせいだと思うことにした。



end






CPにもなりませんでした(泣)
云わずとわかる22巻のあの夜ですvv
なんとなく御柳くんの心の動き。



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