KISS



あたたたかいものが、唇に触れてくる。


「ん・・・っ」
こいつのキスはいつも突然だ。
今日もそう。
部活も終わってそろそろ帰ろうというとき。
カギ当番のこいつと、マネージャー(凪さん限定!)の手伝いで遅れたオレと、たまたま二人っきりになって。

着替え終わったオレの肩を強引に掴んでふりむかせて。


びっくりしてる間に口付けてきた。

「んん・・・ってめ・・・っ犬か・・・・っ」

顔を背けて逃れようとしても押し付けてくる。


与え合うなんてもんじゃねー。
奪って。
むさぼって。
食らいつくして。

オレを満たすんじゃなくて
自分の中をオレで満たすように。


こうなってから・・・まあぶっちゃけ恋人っつーかそういう関係になってから気づいたけど。
こいつって死ぬほど飢えてる。
何にかって、よーするに愛情?

あんなに女の子とかに追いかけられまくってるくせに。


それに応えてやったらこいつの求めるもんなんていくらでも手に入るだろうに。
よりにもよって男のオレかよ?
自分で言うのもなんだが趣味悪くねーか?

こいつはオレと違って(悔しいけど)綺麗な顔してるし、すげえ球投げれるし。
背も高くて、物静かで、クールで。
女の子が求めてる「かっこいい男」像そのまんまじゃん?



「…何考えてやがる。」
ふと気がつくと至近距離で自分を睨み付けている犬飼の顔。
いつのまにか唇をはなしている。

「って・・・別に。・・・・っつーか、何しやがる!!いきなりオレを窒息させる気か!!」
「うるせー。とりあえず、したかったんだよ。」

少し頬が赤い。
なに、こいつあんなことしたのに照れてんの。

・・・かわいーじゃん。


「///・・・それより、今何考えてたんだよ。バカ猿。」
「恋人のことバカ呼ばわりするやつにゃ教えませーん。」

「・・・・・・・。」
ありゃ、いじけたか?こいつ。

まったく。ゴツイ体とジュノンな顔してるくせにヘタレかよ。



こいつのこういうとこ。


すげー好きかも。



「おめーのことだよ。ヘタレ犬。」

そう言って顔あげる前に抱きついた。
今のこいつの顔見れねーのは残念だけど。


多分オレも今こいつと同じ顔してるから。



end







久しぶりの更新・・・。
まとまりも意味も全くない上に砂吐きそうな駄文ですみません。
単に天国と犬飼キュンのキスを書きたかっただけですね。
結構情熱的なキスしてるつもりなのに本人はへたれ。
天国が主導権握ってますねえ。

てなわけで、初!王道犬猿でした。
それにしても一人称は書きやすい・・・。


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