心叫 side K
(やばい。やばい。)
どうしよう、バレた。嫌われる。
さっきの古泉の驚いた顔が胸に刺さる。
気持ち悪いと思われる。
…いやだ。
部室を飛び出して、校門を飛び出して、坂を駆け下りて、駅までもう少しというところで立ち止まる。
息を荒げていて、かなりしんどかったが。
そんなこと気にしている余裕はなかった。
こうやって走ってきたことにさらに後悔は募る。
これじゃあいつの疑念を煽ってるのと同じじゃねえか。
ハルヒの機嫌が下がりだしたのを感じ取って、
フォローをしていたら今度は古泉の機嫌があからさまに悪くなった。
普段ならうまくやり過ごしていたのだが
あまりにも急に不機嫌な感情が流れてきたので
つい口に出してしまったのだ。
だって…すき、な奴の機嫌は普通気になるし…。
って、照れてる場合じゃねえよ。
前々から、あいつの疑念は表れていた。
別に悪い感じはしなかったけれど、ただバレるのは怖くて。
あいつが疑問に思うたびに俺は俺で不安を露呈していたのだろう。
そのたびにあいつは更に不思議に思っていたようだ。
だから、注意はしてたのに…。
(…嫌われる、かな…。)
今まで、度を過ぎて感情を読み取っていることがばれると、
少なからずこの感情が紛れ込んでいた。
気持ち悪い、と。
言葉になって聞こえてるわけではなくとも、
その嫌悪の混じった感情を向けられるのはかなりきつかった。
たとえ相手が他人だったとしても。
ましてやそれが恋人であるなら。
不安に思うのも当然だろう?
「…こいずみ…。」
まだ整わない息の中、俺はそいつの名を口にした。
その時。
「……呼びましたか?」
「!!」
振り向くと、そこに。
涼しい顔をした古泉がいた。
「よかった…追いつきました。」
その顔にも感情にも嫌悪はなく、ただ安堵と。
愛おしいと思ってくれる気持ちが伝わってきた。
それを知って俺は、不覚にも泣きたくなって。
涙をこぼした。
To be Continued…
キョン君乙女ですね…;;
とりあえず再録はここまで。次からは新作になります。一応;;
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