クルイイチゴ
「苺牛乳だな。」
さていきなりなんの事やらと世間様の大部分は思われる事だろう。
かくいう俺もその大部分に含まれる事は火を見ずとも
太陽が東からのぼるかのごとく明らかである。
前置きが異常に長いがそこは今気にすることではない。
まあ状況を説明したらその大部分は俺に賛同してくれるだろう。
だから説明しよう。誰にだ?
実は俺自身にだ。
自分に状況説明しなきゃならんほど
俺は現在混乱まっただなかというわけだ。
嘆かわしい。ああ嘆かわしい嘆かわしい。
とにかく。
なんだって俺は今、一年近く付き合いがあるのに一向に得体の知れない美形エスパー少年の自宅で
家主たる本人の下で冒頭の名称の液体をぶっかけられているんだ?!
分かる奴がいたらここに来い。
そして俺に説明しろ!直ちに代わってやる。というか代わってくれ。
とりあえず「何か解りますか?」と問われたので
それに対して数少ない即答できる答をかえしたわけだ。
分かったか俺。
分かってたまるか。
「で…?」
「はい、何ですか?」
何ですかときやがりましたよお母さん。
とりあえずこいつに聞きたいことはA4ノートが余裕で埋まるほどあるが
まず最初にくる質問からにしよう。
至極合理的だ。
「お前は何をしたいんだ?。」
「そうですね。
とりあえずあなたの服を汚したのを理由に脱がせて
世間的に口に出すのをはばかられるような動作を実行しようかと企ててはいますが。
ご理解ご協力いただけませんか?」
いただけるとでも思ってたらお前は現実社会を把握していない存在と認識しますが!
「そうですね。けど実際には現実も冗談みたいなものなので僕にはそう差を感じませんが。」
それは否定しかねるが全面的に肯定もできんぞ。
「あなたの認識はまあ構わないんですが。
とりあえずは現在の状況を進行させたく思いましてね。
少し黙って下さい。」
「なっ…!」
ビッ、と悲鳴をあげてシャツが裂かれた。
おい、マジか?!
「えらくマジです。」
「ひっ…こいず…っ!」
「黙ってて、下さい。」
まだ苺牛乳で甘ったるく匂う俺の首筋に食らいつくようにキスされた。
なんだよ? 何が起こった?
まさかハルヒの…。
ハルヒ?
待てよ、確か今日。
『苺ミルクは嫌いって言ったでしょ?!』
コーヒー牛乳をハルヒに頼まれたんだっけ?
『知るか。売り切れてたんだから仕方ないだろ?』
『よくないわよ!コンビニでもなんでも行けばあったじゃない!』
『俺にはパシらされてサボタージュする主義はないぞ。
いらなかったらくれ。
俺が好きなんだよ、苺牛乳。』
そう言ったら、ハルヒは。
『いいわよ。…だったら飲んであげるわよ。』
(あんたが好きなものなら。)
「う…ぁっ…!」
「よそ見はいけませんよ。」
だから?だから、なんなんだ。
わからねえよ古泉。
何、考えてんだよ。
説明しろよ。
やばい、意識が
飛ぶ。
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「嫌いになったらいいのに。」
彼女のきらいなもので覆って彼を嫌いになってくれるといいのに。
でも彼女は嫌いなものごと彼をまた愛するだろう。
僕は無駄にあがいて、
馬鹿な事をして、
ああ、気も狂わんばかりに。
あなたを愛してる。
End
これも携帯サイトの再録です。
実は一晩で短い話4本打ちました。自分にびっくりしました。
でも空中分解した文章ですけど…;;;
ちなみに通りすがりのパン屋さんの広告「苺ミルク」を見てなんとなく打ち始めたら
こんな薄暗い文章になりました。なんで?!
ちなみに銀さんのことはあとで思い出しました。
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