遅かりし感情


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予想よりやや強い態度を見せたものの、榊君は話してくれた。
彼女のため、という言葉が効いたようだ。
助かりはしたが…彼も彼女に悪からぬ感情を抱いているようだ。
それはありがたくない状況である。


まったく、自覚がないのも困りものだ。


…いや、今はそんなことは後回しだ。
それだけ榊君から得た情報は聞き捨てならないものだった。


彼女が、暴行されている。
しかも女子に…。

正直なところ、薄々は感じていた。
今、SOS団の男女比は彼女と、男子4名というはたから見れば不自然なものだ。
それに、僕も含めた男子4名というのは…。
…あくまで客観視した結果で見ても女子の目を引く、そういった集団だ。

その中で、たった一人女子がいて
全員…やはり僕も含め…彼女を少なからず想っている。
少なくとも僕にはそう見えている。

皆想いを口にしているわけではない。
だが分かってしまうのだろう。

彼女に女生徒の嫉妬が集まるのは、自然なことなのかもしれない。
(自分で言うのもなんだと思ってはいるが、今はそれはスルーしておこう)


それを彼女が隠すのは……。


聞くまでもない、と思った。


そして少なからず怒りがこみ上げてくる。



彼女は僕たちに心配させたくなかったんだろう。



と。


「…自己満足ですね…。」


ぼそり、と口を開いた。



####


「…。」
「…。」
「…。」
「…;;;」

「…おや、どうされました?」


その日SOS団団室、正確には文芸部室に行くと、
すでに僕以外の4人は集まっていた。

しかし見事に誰も声を発していない。

涼宮ハルヒコとキョン君はむっつりと。
長門有希はいつもどおりに。
朝比奈みつるは声も出せないといった風情だった。


…今日の出勤はどうやら確定なようだ。



〜♪〜♪


…早いな…。
できれば今日中にキョン君に言いたいことがあったのに。


「…古泉…。」
「なんだよ、来たばっかなのに帰るのか?古泉くん。」

「ええ…大変申し訳ありませんが。」

そういって僕は軽く手を挙げると、部室を後にした。


「気をつけて行けよ。」


と、小さく響いた彼女の声をしっかり耳に入れて。



####


僕は、どうすれば彼女の気持ちを傷つけずに守れることができるだろう。

そのことばかり、考えていた。




だってそうだろう。



こんなことのために彼女は彼女になったわけじゃない。


それだけは、確かなはずだから。





                          To be Continued…



気分が乗っていたのでここから新作、キョン子総受け小説です。
今回は古泉君視点。ここにきてようやく話の大筋が決まりました(おいこら)。

とりあえず古泉は榊君をいじめ倒した後出動。
さて次は彼の視点です。



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