遅かりし感情
4
…遅い.
掃除当番だからってこんな長くかかるわけない。
さっき呼びに行かせた古泉君もまだ戻らない。
やっぱり自分で行くべきだった。
古泉君は優秀な副団長だけど…男だし。
もしかしてキョンと何か…い、いや!
大体古泉君みたいなイケメンがあんな平凡なキョンを相手にするわけないし、
キョンだって男に興味あんまりないみたいだし!
…てオレにも同じで…
いやいや、何考えてんだオレは!!
別にキョンの事なんか何とも思ってないぞ?!
顔もスタイルも成績も平凡だし、いっつもうるさいし!
そりゃちょっと髪は綺麗だし、あのポニーテールはよく似合ってるとは思うけ……。
バタン
「うわあ!!」
「?どうしたんですか?涼宮君。」
「な、何だ古泉君か。びっくりさせるなよ。」
あーびっくりした。
変なタイミングで帰ってくるなよな古泉く…
て、あれ?
「古泉君、キョンはいなかったのか?」
帰ってきた古泉君はどう見ても一人だった。
キョンは見つからなかったのか?
古泉君にしては役に立たないな。
ところが、古泉君はオレの予想と違う答えを言ってきた。
「ええ…見つかりはしたんですが…用事があるからもう少し遅れる、とか。」
「用事ぃ?んなの聞いてなかったぞ?」
急用にしてもオレが教室出るまでには言えただろうに。
…?あれ、なんか古泉君笑顔ひきつってないか?
感じた通りの事を質問すると、そうですか?と古泉君は苦笑した。
なんかこんな顔するのも珍しいな。
「あの…涼宮くん。貴方がたのクラスの…榊、くんはご存知ですよね。」
不審に思っていると更に珍しい名前を出してきた。
同じクラスの榊…?
うーん…
あんまりクラスの奴の顔って覚えてないんだよな…。
あ、確かうちのクラスで一番のモテ男だとかアホの谷口が愚痴ってたような…。
「その榊がどうかしたのか?超能力持ってるっぽいとか?」
そう聞くと、古泉君の苦笑が濃度を増したような気がする。気のせいか?
「いえ…あの、彼はキョン君と元々親しいところがあったんでしょうか?」
「は?キョンと?」
何でその榊と、キョン?
「別に…今までしゃべってるとこも見た事ないな。」
あったらもっと覚えてるだろうし。べ、別に深い意味はないぞ。
「そう、ですか…。」
オレの答えを聞くと今度は考え込む。
流石に不審だぞ古泉君。
「何が、あった…?」
「…いえ。」
「答えな。古泉君。」
少し迷った顔をしたあと、古泉君は口を開いた。
「実は…。」
「こんにちはあ。」
一際高いボーイソプラノが響いた。
「あ、あれ?どうしたんですか?」
入って来たのは言うまでもなく我がSOS団のマスコット。
みつる…後でお仕置きだ。
To be Continued…
さていきなりハルヒコ君視点に飛びました。
話が若干前後することもあると思いますが…ご了承を。すみません!!
でも視点変えたら急に活路が。
行きあったりばったりはよろしくはないですが、自分でも楽しいです。
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