遅かりし感情
8
あいつが直談判に来たのはキョンに惚れた日の翌日だった。
部活を終えたオレをわざとらしく待っていた奴がいた。
古泉だ。
何の用だと今更聞くのもそれこそわざとらしい。
オレは人通りの少なそうな場所に行かないと、と思っていると古泉の方から言い出した。
「昨日のあの人の事であなたに質問があります。よろしいですね?」
視線も声も冷ややかで、
これが古泉の本性か、と妙に納得していた。
拒否は受け付けなさそうな相手に、
拒絶するつもりもないオレは素直に付いていった。
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古泉は3年も知らないんではないかと思う奥まった場所にオレをつれてきた。
古泉がただの優等生というわけじゃないのが改めて実感できる。
キョンはこの事を知ってるのか?
「ここでいいですね?」
「あ…ああ。」
一瞬別のとこに飛んでた頭が冷たい声に引き戻された。
古泉は単刀直入に、とばかりに早速話を切り出してきた。
「昨日、彼女に何があったんです。正直に答えて下さい。」
もうこりゃ質問じゃないな。
けどオレだって意地くらいはあるし、
好きな…奴との約束くらいは守りたいもんだ。
それに、オレだって。
キョンが話さないんならオレが言うわけにはいかないな。
第一、オレだって何があったか見たわけじゃない。」
そう言うと、古泉の表情が変わった。
「…やはり階段から落ちたんじゃないんですね?」
…まずいな、キョンはそう説明してたのか。
「あなたが見たものを具体的に教えて下さい。
それで結構です。」
古泉は少し考えたあとそう言った。
その態度はあからさまにこう言ってるのが分かった。
『それさえ教えてくれればもうあなたは彼女とは無関係です。』
と。
「…ざ、けんなよ…。」
低い声を出していた。
自分でも初めて聞いたような声だった。
To be Continued…
さて、ガチで対決モードに入りました。
そろそろ火種が燃え上がるころ…かな??
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