遅かりし感情
9
「ふざけんな…。」
自分でも驚くほどの怒りがこみ上げ。
もう一度、繰り返した。
「…。」
オレが怒りだしたことに、古泉はかなり驚いたようだ。
だがそう間をおかず古泉の表情は元に戻る。
こいつは優等生に見えて場数もかなり踏んでるな?
それに立ち向かえるような経験は当然オレにはない。
少なからず構える。
だからって引くこともできない。
変な正義感とかじゃない。
ただ昨日見たあいつが…。
どうしても。
「何を怒ってるのかは知りませんが。榊君。
僕の質問には答えてもらいますよ。
…あなたも彼女にまた同じ理由で傷ついて欲しくはないでしょう。」
「…。」
「それは…僕たち、も同じです。
そのためにはあなたの情報が頂きたい。
…よろしいですね。」
有無を言わせずってのはこういう事を言うんだろう。
あいつを傷つけない為にオレは意地なんざ張れなくなってしまった。
「…分かった。
話す。」
あいつの為だ、と口にすることもできなかった。
悔しい、と感じた。
オレは…何も知らない。
あいつの事、こいつらとの関係。
一緒にいた時間も。
昨日までは傍観者ですらなかった。
その事実を思い知らされる。
たった一つ、オレに今できる事は。
こいつらに引導を渡す…それだけだ。
オレは小さい自分を感じながら話した。
それでも同時に。
悔しいのは好きだからだと、それも実感していた。
その時、古泉も同時に悔しいと感じていた事を。
オレは後から知ることになる。
To be Cotinued…
再録なのにうだうだですみません;
榊君ちょいうざな続編でした。
ちなみにこの話の再録はここまで。
以降は新作になります。
こっちも辻褄が合うよう頑張ります…。
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