存在
昼休みも終わりの時間、移動教室の時の事。
私はその日鶴屋さんと一緒じゃなくて、
一人で音楽室に向かっていました。
音楽室にある棟へ行くには、学食の前を通らなくてはいけなくて、
少し遠回りな道を歩いていました。
ちょうど学食にたどりついた時、彼の姿が目に入りました。
私は嬉しいって思っちゃいました。
彼は世界の鍵で監視の相手。
だけどそれすらも受け入れてくれる優しいひと。
だから、私は彼のことを監視対象としてだけでなくて…
あ、これは禁則事項です。
それで、ご挨拶しなくちゃって思って手をあげかけた時。
「キョーン!今飯終わったのか?」
「よ、悪かったな遅くて。」
お友達でしょうか。
一緒に居ることの多い谷口君や国木田君とも違う知らない男子の方が、先に彼に話しかけました。
男子の方は彼にとても親しげに触れ合ってます。
うらやましいな。
「また涼宮にこき使われてたんじゃねえの?」
「またってななんだよ。」
「だってお前があの名物女にいいように振り回されてるのは有名だぞ?」
「るせえな。好きでやってるんじゃねえよ。」
涼宮さんの話を始めました。
やっぱり全校で有名なんですね。涼宮さん。
最近はキョン君も一緒に有名みたいです。
前にもクラスの方にキョン君のこと、少し聞かれました。
涼宮さんにもキョン君にも…内緒ですけど。
「とかなんとか言って、涼宮と付き合ってんじゃねえの?」
やっぱりそう見られてるんですね。
お友達の言葉に、彼はちょっぴりうんざりした顔をしていいました。
何だか私の胸が痛い気もしましたけど。
「その質問は聞き飽きたし答え飽きたっつーの。
んな事実は一切ない。NOだ。Nothingだ。んな関係はまっっったくない。」
きっぱり否定した言葉に、少し安堵しました。
…困っちゃいますねこれじゃ。
「ふーん?じゃあお前的本命はあと二人のどっちかってわけか。」
え。
あと二人って…長門さんと、私のこと、ですよね。
ダメです、私とじゃ禁則事項…で…。
って、そんな、私何言ってるんでしょう。
「まあでも朝比奈先輩だけはありえないだろな、お前と、ってのは。」
え?
私は ありえない?
「何だその決めつけは。」
そ、そうですよ。
キョン君と私が…ってありえない…なんて。
キョン君、怒ってください。
「まあ否定はできないけどな。」
え?
「朝比奈さんがオレを、ってのは想像すりゃ幸せそのものだけどな。
それはありえないだろ。」
ありえない の。
キョン君。
私があなたを好きになるのはあっちゃだめなんですか?
ありえないのは 私がこの時間軸の人間じゃないからですか?
「そりゃそうだな。朝比奈さんは北高のアイドルでマドンナだもんなあ。」
当たり前のように友人の方と笑って。
そんな風に。
彼の背中が遠くなっていく。
待って。違うんです。私、ちゃんと。
言いたい。
もし私がこの時間の女の子なら。
あなたが好きであっていいの?
凍り付くような気持ちがする。
分かっています、気持ちを打ち明けるなんて許されない。
でもあなたがすきです
キョン君。
だからせめて
気持ちを最初から
ないものにしないで。
この想いは
私には確かな
唯一の私だけのものだから。
遠ざかる背中が揺れたように思いました。
End
ちょっと楽しかったみくるちゃん視点みくキョン(キョンみくでないと言い張る)です。
私はみくるちゃんがキョンを好きだと信じてますv
でもキョンはみくるちゃんが自分に惚れるってのはまず考えないだろうと思いまして。
これはハルヒにも有希ちゃんにもありますけどね。
最初にアニメ見たとき本気で驚きましたもん。
「お嫁に貰ってくれますか」の発言をほぼスルーしちゃいましたからね・・・。
弱ってるときの発言だからだろうけどそれにしても…;;
鈍いのもありますがどうも恋愛視点で物事を考えられない、もしくは考えない性格なんでしょうね。
そこが最高なんですがvv
というわけで携帯サイトに出した文章ですが、ちょっと改訂してます。
まあ気にならない程度かな、とは思いますが。
お読みくださりありがとうございました!!
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