優しい歌
愛する気持ちが喜びになって
満ちてあふれて。
「好きだな。」
「え?」
部活が終わり、たまたま牛尾は天国と二人きりになった。
そんないつもより静かな部室で突然の言葉。
「何が、ですか?」
「口ずさんでただろう?ほら、その歌。」
「ああ…。「優しい歌」っすか?」
名前の通り、少し柔らかなメロディ。
「へえ、優しい歌?」
「え!知らないんすか。結構有名なアーティストの曲っすよ。」
天国は意外に思いながらもどこか納得する。
牛尾は名家の御曹子なので、流行のポップスなどとは無縁なのだろう。
そんな風に思い、猿野は少し微笑む。
「よかったらMD貸しましょっか?お勧めっすよ?」
「いや、いいよ・・・。」
君の声で聞くのが好きなんだ。
伝えたい思いを飲み込んで、牛尾は笑う。
「少し、歌ってみてくれないかな。」
「え?ここでっすか?今?」
「うん。今ここで。」
牛尾しか居ないとはいえ人前でいきなり歌えと言われて歌うのはかなり抵抗がある。
普段騒いでばかりいる天国でもそれは変わらないらしい。
「え・・・っと・・・。」
「聞かせてくれる?」
にっこりと優しい、しかし有無を言わせない微笑でせまられる。
数分後、天国は折れた。
「だーっっわかりましたよ!ヘタクソっすけど我慢してくださいよっ!?」
一息ついて、天国は静かに歌いだした。
思ったよりずっと澄んだ声。
そして心に響くメロディを。
天国はゆったりとつむぎ出した。
「〜♪・・・・っと!おわりっ!」
そして天国は歌い終わった。
牛尾は微笑み、小さな拍手を送る。
「・・・すごく上手だったよ。猿野くん。」
「やだ、明美うれし〜いv」
牛尾の惜しみない賞賛に、天国はかなり照れているようで瞬時に明美に変身しごまかしていた。
「いや、本当に上手だったよ。」
「もー・・・いいっすよ。それより早く帰りましょーよ。」
少し頬を紅潮させて天国は顔を背ける。
そのしぐさはなんとも可愛らしくて。
牛尾は手をのばして天国を腕に閉じ込めたい衝動でいっぱいになった。
(好きだよ。・・・君の歌も。・・・君も。)
伝えるにはもう少し勇気は必要みたいだから、まだ言えないけど。
後悔の歌にしないように。
必ず伝えるから。
いつか君と想いあえる奇跡を信じて。
とりあえずは・・・・。
「じゃあ、一緒に帰ろう。家まで送るよ?」
「いいんすか?ラッキー!!」
まずは、ここからかな?
end
はい、何年か前・・・になるかな?の、ミス○ルの「優しい歌」より無理矢理話でした。
書けば書くほどまとまりがなくなっていく・・・私という人間は学習能力皆無ですね。
とりあえず少女漫画な片想いしてる牛尾くんです。
ヘタレではないんですよ、これでも。(笑)
純粋に、少年っぽく恋してる・・・っていうのを目指したんですけど。
目指しただけですね。はい。(おい)
そんなわけでほのぼの牛→猿でした。
短い、雑い、つまらんの三拍子ですみませんっ!