どうしようもなかった僕に降りてきてくれた君
「岩井さん、これからはどんな我侭も言ってくださいね!」
「岩井さんの我侭なら大歓迎ですから。」
そう、日差しの中で笑ってくれた君。
それは今まで手を伸ばしても伸ばしても手に入れられなかった
手を伸ばす事さえ諦めてしまっていたもの。
それが人の形になって降りてきてくれたように思えた。
また、泣きそうになってしまう。
「岩井さん…?」
ああ、だめだな。
ここで泣いたら君は心配してしまう。
でも、こう言ったら笑ってくれる。
というか、笑われるかもしれない。
君の笑顔を見ていることが泣きたいほどに嬉しい、と。
そんな風に思いながら、俺は君にいつのまにか手を伸ばしていた。
「岩井さん…?」
驚いた顔をした君を、ただ抱きしめる。
暖かい。
君の温度に、身体だけでなく心の芯までがぬくもっていく。
これが君のくれたもの。
愛とか幸福とか優しさとか。
名前をつけるコトもできないほどの気持ち。
「岩井さん…苦しい…。」
腕の中の君が少し苦しそうになってた。
前の俺なら、慌てて手を離してた。
でも、今は。
少し腕の力をゆるめて、でも君を放さない。
放すことなんてしたくないから。
「岩井さん…。」
君も俺の変化に気づいたのだろう。
とても幸せそうに笑ってくれた。
君の笑顔は、また俺を温かくする。
前の俺は、君さえ傍にいてくれればそれでよかった。
今の俺は、君が居なければ嫌だ。
そうしたのは君。
そうしてくれたのは君。
これからもずっと離さない。
離れないで。
ずっとずっと、愛してる。
end
激ラブ学園ヘヴンサイト様、「ヘヴンな処」の小説掲示板に投稿させていただきました。
初単発学ヘヴ小説です。
おかわりっ!の岩井君ルート後のイメージ。
幸せで甘い岩井君の独白ですね。ネタバレにはなってないようにしてます。(一応)
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