彼方へ


21






「ガブリエル…っ。」


「あ…ぁ…っ、も…抜い…っ…!」

力無く声を漏らすガブリエルを、ヴラディスラウスは容赦なく貧る。


「ひ、あ、あぁっ!」



時に強く、時に緩やかにガブリエルの秘孔をえぐる。


「ヴラディ…ス…っ…もう…許し…て、くれ…。」

(許して…。)


しかし、シーツを握りしめ迫る快楽にガブリエルは必死で耐えていた。
人の身体は容赦なく与えられる快楽に翻弄される。



「何にたいして許しを乞うているのだ?ガブリエル?」


熱に浮かされるようにガブリエルは許しを求める。
それは身体のへの負担と。感じたことのない幸福に。


そう。

ガブリエルは確かに幸福を思った




この男の腕に抱かれて。



神にそむいた痛みと、唯一のものと愛される喜びに。




ただ、許してほしいと願った。



「どうした…ガブリエル。
 さあ、私を見るがいい。お前を抱いている私を。」



繋がったままでヴラディスラウスは身を起こすと、ガブリエルを力強く抱き寄せる。
「もう離さない…離しはしない、ガブリエル。
 永遠に私だけのものだ…。」

「……。」
その言葉に、瞳に、表情に、腕に、胸に、全身から熱い思いを感じる。
ガブリエルは何も答えず、ただ涙を落とし続けた。

その涙は美しく、ヴラディスラウスを昂ぶらせる。

「泣いているのだな。悲しいか…?
 神に背く道に入ったことが辛いか…?」

「…ヴラディス…。ッう・・・!」
儚げに相手の名を呼ぶガブリエルを、ヴラディスラウスは更に追い詰めていく。

「あ…!!あっ…もう、動…か…っ。」
「まだだ。まだ足りない…。」

ヴラディスラウスはガブリエルの最奥を貫き、もっとも感じる箇所を攻め立てる。

「だめ…だ…っ…ぁ、ああっ…!!」
ガブリエルはヴラディスラウスの胸を突っぱねるように押したが、ヴラディスラウスは離そうとはしなかった。

「どこにも行かせんぞ…。お前は、私のものだ…。」

薄れていく意識の中で、愛しているという言葉を何度も聞いた。


そして彼も思い知っていた。


愛していると。



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ヴラディスラウスがようやくガブリエルを離したのは、一昼夜が過ぎてからのことだった。

アンナ・ベルがガブリエルの私室に(兄がいなくなったのを確認して)駆けつけた時。

ガブリエルは完全に意識を失い。
敷布をかけることなく全裸のままベッドに倒れていた。

何が起こったのかは、一目瞭然だった。
兄は、目の前にいるこのひとを穢しつくすように貪ったのだ。

焼け付くような嫉妬にふりまわされた愛という激しい感情ゆえに。
ガブリエルの身体中に残る跡と、足元に多く残る残渣が、どれだけの激しさであったかを物語っていた。

そして、目元にのこる涙の跡が。どれだけこの優しい人が傷ついているのかをアンナ・ベルに思い知らせていた。

アンナ・ベルはおそらく生まれて初めての絶望を感じた。


そして。


涙を流しながら、ガブリエルの身体を清めていた。


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慟哭が聞こえた。
この世に存在を許されて数万年になろうかというのに、初めて聞く慟哭を。

声の主は、聞こえた瞬間に分かった。


『心配は要らない。』

(お前がうそをついてどうするのだ…。)
天使は胸を痛めた。

なぜこのようなことになったのだろう。

神はなぜ守らなかったのだろう。

あの者は神の左…つまりは神の伴侶の位置を許されているのに。

今までは疑問すらも神の前では存在してはいけないものだったのに。


だが、それよりも大事なことは。


「ガブリエルを…救わなければならない。」


ミカエルはひっそりと身を分け。

動き始めた。



                                    To be Continued…






短っ!!ひっぱったのにこんなんでマジすみません…。
まだまだ本格Hには程遠いなあ…。
でもこれから多分何回も…(うふふふ)


ではでは、今回はこの辺で…。
居間ではHくさい話打ちづらいです(T△T)


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