ぬるま湯



「うーわ、なんだそれ。」


「バーカ年上の女ってなそーゆーモンなんだよ。
 甘えてるとこ見せてりゃかわいがりたくなるんだと。」


「おーおわりィ奴だなてめえ。」


「はっ、最高の褒め言葉だな。」


「やだね〜オレみたいに純情な少年には理解できない世界だわぁ。
 明美こわーい。」


「瞬間芸に女装取り入れてる奴が純情かよ。」


「それはそれこれはこれだろ?」


「あのなあ。」


####

「…で、あの時のお前のカノジョは元気かよ?」


「え?凪さん?」


「クッ、マジで分かりやすいなてめーは。
 しゃべりてーんだろ?」


「…バレてっか。」


「そりゃな。」


「元気だよ。昨日も一緒だったし。」


にこっ。



「…幸せそ。」


「猿野さん、ここにいたんですか。」


「あ、凪さん?!
 なんでここに?!」


「あー猿野のカノジョ。」


「あ…華武高校の…御柳さん。」


「…。」


「…。」


「?御柳?凪さん?」


「…アンタいい趣味だな。」

「…はい?」

「だってこいつイイ奴じゃん。」

「…はい。」


「気をつけろよ?」


「…勿論。」


「凪さん?」


「なんでもありませんよ、猿野さん。
 さ、一緒に帰りましょう。」

「え?は、はい!」


「…にゃろ。」


「じゃな、御柳!またな!」

「おー。またな、裏切り者。」

「なんじゃそりゃ!!」



「じゃあ御柳さん、さよなら。」



にっこり。



######

「…ふぅん…。」


「見かけどおりの女じゃない…か。
 さすが猿野のカノジョ…ってか?」


くす。



「ま、今日は引き下がってやるか。」



カタン。



(オレだって猿野と遊びたいんだからな。)





                                       end



今回は男子っぽい会話を意識してみました。
あと友達と彼女の対決、みたいなところとか。

一緒にいたい一緒にあそびたい友達。
そんな関係。

芭唐にとっては「ぬるま湯」かもしれないと思います。
居心地のいい…ね。


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