椅子
「あれ…。」
後片付けが終わり、一人遅くなった天国は部室に入った。
すると、そこにいつもは気に食わない…が、
実は最近おカラダの付き合いにまで発展したお相手、犬飼が寝ていた。
「何だよ、寝てるのか?」
部室のベンチに座り、どうやら熟睡しているようだ。
(ふーん…。)
この絶好のシチュエーションは、天国の血管に根を張りまくっている悪戯心を
当然のごとく刺激した。
何をしてやろうか、と犬飼の顔を覗き込む。
「…う…。」
その途端、硬直する。
うっかりした。
犬飼の整った顔を見ているうちに…思い出してしまったのだ。
つまり昨晩の睦みあいというかなだれこみというか肉体労働というか。
そういうものを。
(く…綺麗な顔しやがって…。
認めんぞ〜犬飼萌えするなんて…;;)
混乱した天国は、理不尽な怒りを犬飼に叩きつけていた。
(えーい、やめだやめ!!
とっとと着替えて置き去りに…。)
そう思い、天国は犬飼に背を向けてユニフォームを剥がさんばかりに脱ぎ捨てた。
そして上半身があらわになった瞬間。
がしり、と天国の身体が後ろから抱きしめられる。
「んな?!」
驚いて振り向こうとするが、その前に耳元にささやかれた。
「大胆だな…。」
「な、いぬか…う…っ。」
そのまま天国は唇をふさがれた。
「や…め…っ…ん…!」
「……。」
早々に舌を絡め天国は吐息ごと奪われる。
「…はぁっ…。」
ようやく唇が離されると、天国は悩ましげに息をつく。
「よし。」
犬飼はそう言うと、天国をあっさりと抱き上げ先ほどまで自分が寝ていた椅子に押し倒した。
「よ…よしってなんだよ!!
っつーかてめえ寝たフリしてたのか??!!」
「フリじゃなかったがな。
お前が入ってくるまでは。」
「そりゃ寝たフリじゃー!どうせならネタふってこい!!」
「やーねー。」
「古すぎるーーー!!」
「笑○は古びねー。」
「いや、それは古典だから!!黄色い人も自覚してるからーー!!」
ガタガタと暴れながら、いつの間にかコトは運ばれようとしていた。
犬飼の手が天国のユニフォームに差し入れられようとする。
「や…だからやめ…!!」
「何が。」
「お…思い出すから!マジで!!部室入るたんびに!」
天国は恥を偲んで叫ぶ。
だが、犬飼はそれを聞いて。
にやり、と口の端をあげた。
「丁度良い…思い出せ。」
「はあ?!!…ぁ…。」
「いつでも思い出せばいい。」
「オレは、とっくにそうだ。」
(…この…たらし…っ。)
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その後、十二支七不思議に野球部の部室がくわえられたとかそーでもないとか。
…神のみぞ知る。
end
ミスフルで微エロは久々ですねー。
犬猿って片想いも良いけどやっぱ王道。両思いは美味しいです!
リハビリは続きます…;すみません。
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