somewhere sometime
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赤い赤い炎が舞う。
知ってる。つけたのは味方。
炎が燃やすのは敵。
だけど。
……だけど……。
目の前であの人を狙う刀が光る。
斬るのだ、うちの軍師が。
あの人は敵だから。総大将だから。
だけど。
「今呼ぶんじゃねえ!!!」
「!!」
飛び出そうとする身体を 声を止められる。
離せ。離せ。離せ。
ザシュ…
「…………!!!!」
声に ならなかった。
だけど 感情がはじけて。
うわあああああああああああああああああああああああ
「敵将!討ち取りました!!」
あのひとが きえた。
「おい、凌統!!おい!」
オレを呼ぶな。
オレはあの人を殺す側の人間だと
思い知る
オヤジを護れなかった
あの人を殺した
オレは凌統 で いたく な
『凌統殿?』
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「……!」
目を覚ますと、自分の部屋のベッドの上だった。
まだ頭がぼんやりとする。
凌統は頭の中を整理するように一度振った。
「…そっか、飲みすぎだっけ…。」
昨日は卒業論文提出全員完了の打ち上げパーティで、仲間内で飲み会を行ったのだ。
サークルのリーダーの孫策に弟で年子の孫権のとんでもない酒豪兄弟に、付き合わされた結果だった。
「……ったくあのザル兄弟…。」
痛み始めた頭を抱えながら。
ふと、自分の頬が濡れているのに気付いた。
「…?何だ、これ。」
それが涙であったことに心底驚いた。
「何か…夢、見たっけ…。」
そういえば、赤い夢を見たような気がする。
あれは どこかで…。
「公績!起きているのか?」
ノックの音が響き、凌統は我に返る。
「…起きてますよ、父さん。」
「そうか。今日は大目に見てやるがあまり飲みすぎるなよ。」
「…はいはい。」
「返事は一回だ!」
「了解。」
真面目な父の声に苦笑しつつ、凌統はベッドから降り。
パジャマを脱ぐと、クローゼットを開けた。
ふと、クローゼットの内側の鏡が目に入った。
「……。」
そこに、見慣れた…だが、覚えのない傷跡を見た。
袈裟懸けのように残る傷。
それが痛んだ気がした。
その日がはじまりであったと、凌統が気付くのは まだ先の話だった。
To be Continued…
自嘲してます。妄想が連載気質なもので、無謀にも始めてしまいました。
凌劉、来世かつ現代パラレルです。
年齢は無双設定でいきますし、凌統も史実とは違った行動とりまくりると思いますv
そんなわけでいつもの事ながら時代考証はお気になさらず…!
それから劉備さんは総受けです!ココはゆずれません。
あ、でも夫婦は何組かはずします。多分。
まあ…何とか頑張ってみます。
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