「あんっ…は、ぁあ…っけ、んびしさ…んっ。」
「可愛いよ…ほら、もっと動いて?」
「はぁあっ…!!」
お兄ちゃんが来てるって、監督に聞いて。
何か用があるのかなって思って、校内を探してたんです。
そしたら、見てしまったんです。
私のお兄ちゃんが、猿野さんを抱いているのを。
私の好きな人を抱いているのを。
「…てんごく君、もうイっちゃった〜?」
「……ひどいっすよ…こんな、学校でなんて…。
誰かに見られたらどうするんすか…。」
猿野さんはお兄ちゃんの下で息を弾ませながら言いました。
顔は、あまり見えないけど…。
すごく幸せそうな声。
猿野さんもお兄ちゃんが好きなんですか?
「そりゃ〜見つかったらてんごく君の声のせいじゃないかな〜?」
「…っ。」
お兄ちゃんはからかうように猿野さんに微笑みかけました。
「…でも、アンタこそ凪さんに見つかったらシャレにならねーんじゃないっすか!」
…そうですね。
でも見てしまいました。
「そうだね。でも知られても…君は渡せないなあ?」
お兄ちゃんはそういってまた猿野さんにキスしました。
そんな二人を見ていると、私の胸は引き裂かれるように痛みました。
だって、私は猿野さんが好きなんです。
猿野さんの腕に抱きしめてもらいたいって。
猿野さんの唇に触れたいって。
猿野さんに抱かれたいって
思ってたんです。
それなのに。
お兄ちゃん、あなたが猿野さんを全部攫っていってしまった。
でも私も
猿野さんを離したくないんです。
「剣菱…さん。」
「てんごく君、オレの事好きって言って?」
「…好き…。」
そして猿野さん。
ごめんなさい。
私はあなたを不幸にしてでも
あなたを手に入れたいの。
「凪さん?何ですか?話って。」
「ああ、猿野さん。来てくれたんですね。」
「はい、凪さんのためなら…。」
「嬉しいです、猿野さん。」
私はにっこりと微笑んだ。
「そんな、凪さ…あっ…?」
ドサッ
ああ、いいタイミングでしたね。
薬が効いてきたみたい。
「あ…ッ…?な、凪、さ…?」
「猿野さん。」
私は倒れた猿野さんに近寄りました。
少し強めの薬だから、もう動けないでしょうね。
それに…こちらもとても元気になってきたみたい。
ジーーーーーッ
私は猿野さんのズボンのチャックを下げ、下着ごとズボンを軽く下げました。
「なっ…!何、を…凪さん…っ!!」
「猿野、さん…。」
天使のエゴイスト