手に入れたかったのは なんだったのか ケン一が気付いたときには既に彼の身体は体育館裏の地面に横たわっていた。 ケムマキが目に留まらぬ速さでケン一の足を払い、衝撃もほとんど感じさせずにケン一の身体を倒したのだ。 そしてケン一が事態に気付く前に自分の身体で動けぬよう固定した。 「ケムマキ、君・・・?」 呆然と自分の名を呼ぶ獲物の姿にケムマキは冷淡な笑みを口元に浮かべた。 「言っただろ。負けないって。 負けないためには先手必勝。然も手段は選ばずが理想的ってな。」 「先手・・・?」 自分の身に何が起ころうとしているのかケン一はこの時点でまだ把握できていなかった。 「まだわからないのか?ケン一君。」 「何が・・・?」 「だから。ハットリより先にお前を犯してやるってこと。」 「え?」 ビッ 学ランと下に着ていたYシャツを一気に引き裂く音が、ケン一の脳に響く。 その音はケン一に正気を取り戻させるには十分であった。 ケムマキはケン一の素肌の感触を掌でゆっくりとなぞっていった 「や・・・やだっ・・・!何を・・・!」 ケムマキの手が脇腹から臍、胸に移っていったところでケン一はケムマキの手を押さえようとした。 「ふうん。キレイな肌してるじゃないか。ケン一君?」 ケン一の声を意に介さず、楽しげに言いながらケムマキは行為を続ける。 しかしケン一は必死でケムマキに抵抗しようとする。 「無駄な抵抗・だな?」 そう言うとケムマキはケン一の胸の頂にある小さな飾りをきゅっと指で挟んだ。 「あ・・・っつ・・・。」 ケムマキの指の力にケン一は少なからず痛みを感じ顔をゆがめる。 「痛かったか?じゃあ・・・。」 ケムマキは右手で片方の乳首をいじりながらもう片方を口に含んだ。 「な・・・!いやだ・・・っ!!」 ケムマキの舌は強弱を付けながらケン一の乳首をいたぶった。それは少しずつケン一の快感を引き出していく。 「は・・・ぁあ・・・っん」 ケン一の声が甘さを含むようになってくると、ケムマキは口元の笑みを深くする。 ケン一はこんな事をされてまで快感を感じてしまう自分に羞恥の気持ちでいっぱいだった。 「良い声だな、ケン一君?」 「や・・・っだ・・・もう・・・おねが・・・・い」 ケン一は涙を浮かべつつ快感から逃れようとする。 「うそつけ。」 ケムマキはケン一の乳首にかじりつく。 「あぁっ!」 強い刺激にケン一は背をのけぞらせて反応を返す。 「ほら、すげー反応。」 淫らで残酷な言葉を並べながら行為は続いていった。 ケムマキの左手はケン一の下腹部をつたいズボンのチャックに向かった。 そのままチャックはおろされる。 前が開くと下着越しに立ち上がりかけたケン一のモノが顔を出す。 「思った通り気持ちイイっていってるぜ?お前のココは。」 指先で周りをなぞりながら言葉でいたぶる。 「や・・・め・・・っ・・・っく・・・」 「嘘つきだなあ・・・ケン一君は!」 下着が一気に引き下ろされる。 「いやぁ!!」 ケン一は両手でむき出しになったモノをかくそうとする。 「ケン一君は見なきゃわかんないんだろう?自分がホントはどれだけ淫乱か。」 そう言うとケムマキは自分の指を鳴らす。 パチンと言う音と共にケン一の身体は動きを止めた。 動かない。 「金縛りをかけた。観念するしかないぜ?」 ケムマキの微笑みに、ケン一は改めて恐怖を感じた。 「でも声だけは出せるようにしておくぜ。でないとつまらないからな。」 「さて、じっくり見てご覧?」 ケムマキはケン一の手をゆっくりとはずした。目をそらせない。 ケン一は犯されながらも感じきっている自分自身の姿をはっきりと見た。 「いやだ・・・!いやだあああっ!」 「全く・・・相変わらず強情だなケン一君は。」 クスクスと声を立てケムマキは本当に楽しそうに笑った。 「こんなので我慢できるのか?」 ケムマキは指先で先端を刺激する。 「ぁあああ・・・っん」 「ほら、良いんだろ?さあどうして欲しいんだ?」 すい、と手を離しケン一を放置する。 「や・だぁ・・・っ助けて・・・っはっと・・・りく・・・っ」 ケン一は快感に喘ぎながら助けを求めた。 ケムマキにではない、ハットリに。 「・・・っハットリじゃ・・・ねえよ」 ケムマキはケン一のモノをぐっと握り込む。 「あああー・・・っ!」 ケン一は突然の刺激にあっけなくはじけ飛んだ。 どれくらい時間がたっただろう。ケン一は我に返った。 そこは先ほどと同じ体育館の裏。 しかし制服はきちんと整えられ、破れた筈の服ももと通りになっていた。 「夢・・・だったの?」 先ほどまでの悪夢のような出来事。 残酷の微笑みを見せるケムマキ。 犯された自分・・・。 しかし ケムマキの姿はどこにもない。 「そ・・・っか。きっと夢だったんだ。そうだよ。男のケムマキが男の僕を・・・なんて、夢に決まってるよ!」 「きっと案内してる途中で寝ちゃったんだ!ケムマキは昔からちょっと意地悪だし、僕を置いて先に帰ったんだよ。そうに決まってる。」 「もう帰ろ!ハットリ君達も心配してるもん。」 ケン一は地面に落ちていた鞄を拾うと、急いで帰途につく。 だから気付かなかった。 足下にシャツの切れ端が数枚落ちていたことを。 夢になんてしないぜ・・・ケン一今度はもっとすごい現実にしてやるよ・・・。 |