「おっわり〜v今日も楽勝気〜(^0^)¥」

ここは埼玉の某高校。
この日は、華武高校野球部のメンバーが練習試合に訪れていた。
結果は、当然のごとく2ケタの点を入れての大勝利。

帰り支度もすませ、そろそろ帰ろうかと言うころであった。


「くーずさんっ。」
突然、キャプテンの屑桐以外は初めて聞く声がかかった。

ふりむくと、オールバックで少し長めの髪をうしろでひとまとめにした少年。
学ランを着ているから同じ高校生であろう。

だが、この少年は自分たちの最強のリーダーにたった今ものすごく軽く声をかけていた。
そんな声のかけ方をできるのは、華武高校内でも相当に神経の太い数名に限られていた。



「沢松?どうしたんだこんな所で。」
対する屑桐はごく自然に返事を返していた。
どうやら屑桐の友人と呼べる人物らしい。

「いやね、今日は十二支報道部として華武高校のてーさつに来たんすよ。」
「そうか。そういえばお前は報道部だったな。」
相手はごくあっさりと答えを返した。
普段から偵察の一人や二人にピリピリするような屑桐ではなかったが、彼はそのような類は基本的に嫌っていたはずだ。
しかし、屑桐は特に気を悪くしたような顔は見せなかった。

どうやら、相当に親しい人物のようだ。



(珍しいング…屑桐さんがフツーにしゃべっでる…)
(ですね〜屑桐先輩って誰に対しても威圧感バリバリっしょ?)
(桜花のおやっさん、あいつ知ってる気(?0?))
(いや、知らんのぉ。どっかで見たことあるような気はするんじゃが…。)

ヒソヒソと一軍のメンバーがかなり失礼な事を言っていると、屑桐はまた声をかけた。



「それで今日は一人か?」
「ああ、天国も来てるっすよ?」


突然出てきた固有名詞に、華武高校メンバーは耳をそばだてる。


あまくに。

天国。

猿野…天国。


「そうじゃ!主しゃあ確か練習試合の時、猿野とおった・・・。」


「ありゃ、覚えてたっすか。キャッチャーさん。」
最初に反応した桜花に沢松は苦笑を交えて返事した。


「え〜!!って、猿くん来てる気?!(>0<)」
「っていうか、屑桐先輩…なんでそんなにそいつ(天国関係の人物)と親しげなんです?」
「そうだ。オレも聞きたい。」
「そうですよ〜!!」
「全く故。」

いつの間にか騒動に2軍に最近戻った帥仙や墨蓮、菖蒲監督まで交じっていた

「そうですヨ、いくら屑桐先輩とはいえ聞き捨てられマセンね〜。」
「同感だ。ワケを話してもらいたいものだな。」

知らない間に2軍キャッチャー野木久に1軍ライト菊尼まで口を挟んできた。


「う〜わ、またこんなに寄ってきて。」
「…貴様ら…#」
華武高校内でも天国の人気はここまで広がっていた。
屑桐は勝手に自分の大事な存在に目をつけたチームメイトたちに複雑かつ苛立つ気持ちを抑えられなかった。



「お〜いたいた、沢松〜っ。お、無涯もいるじゃん。」
「!!!!!」


突然話題の主の声が現れた。
余談だが、この日天国はスリムジーパンにタンクトップ、その上に半そでシャツを軽く羽織ったラフな服装である。
グラウンド周りの斜面を軽い足取りで降りてくると、集団の傍まで走り寄ってきた。



「華武の人らもこんにちわっす。」
にこっっと屈託のない可愛い挨拶を華武のメンバーに向けた。


「……………!!!」
(可愛い・・・(×∞))


と、言うわけで改めて華武高校のメンバーはしっかりとKOされた。



「こらこら。天国〜笑顔の大安売りは危険だぞ?」
「…全くだ。」

沢松は呆れたように天国の頭を引き寄せてぽんぽんとかるく注意した。
屑桐はいつもの事ながらうんざりとため息を吐いた。


(最も…こいつらはライバルにはなりえんがな。)

屑桐はふとそんな風に思った。


誰も入れない二人の絆。


分かっていても。


(少し…寂しいかもな。)

「な〜無涯vこの後暇か?」
「え?!」
何とはなしに物思いに耽ってしまった屑桐に、天国はにこっと笑って声をかけた。


「ああ、暇だが?」
「んじゃ、3人でメシくいに行かね?」
「そそ、行こうぜ屑さんv」


「…ああ。」





つまらないことは、気にしなくていい。
二人はそんな風に言ってくれたような気がした。



「で、あの人たちはどうします?」
沢松はくいっと屑桐の後ろで別の幸せな世界に飛んでいる人々をさした。

「…ほっとけ。」
「いいんすか?あとで説明大変じゃ…。」
「?」


「いい。黙らせる。」


「…無涯ってやっぱ王様?」
非常に尊大な答えに天国は苦笑した。


「何か文句あるか?お姫様。」
「はぁ?」
屑桐はさらっと答えを返す。


「ぶははははははっ!!!」
突然笑い出したのは、沢松。


「ははははっ屑さんナイス!!」
「だろう?」
沢松と屑桐は意気投合する。



この居心地のいい王国では


王子様の座は取られているけど



お姫様の傍の場所は



もうひとつだけ、許されている





たった一人のために



名前のない場所が






後日
 やはり質問攻めにされた屑桐からの一言は
 「手出し無用」だったとか。

 それを聞いて華武のメンバーが納得したかしないかは、また別の話。

                                                         END.


耀様より800HIT代理リク「Relations with no name」な三人で猿総受け 華武高校編でした!!
私的に難しいリクかも、とか思ったんですが、かなり速く書けました。
まあ内容は・・・・・・・・・ですけど。

ちょっと詰め込みすぎかな?とは思いますが。
名前だけなので、大勢登場させてもいいかなとも思って、桜花・監督・野木久・菊尼まで登場となってしまいました。

結果見づらくもあるかもしれませんが…すみません。耀様!!

と、いうわけで800HIT代理リク小説でした。
耀様、リクエストほんとうにありがとうございました!!
このような駄文で申し訳ありません!

できましたらこれからもよろしくお願いします。

では、今日はこの辺で…。


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The place where there is no name