IFーイフー
 
 

 「う〜〜〜〜ん。」
 
 
 「なんなんですかさっきから。」
 
 
 ここは超お金持ち名門高校・桜蘭高校第3音楽室。
 様様な美少年(全員性格に問題あり)の集うホスト部の活動場所である。
 
 さて、この場所で現在何が起こっているのかと言うと。
 ホスト部のキング(果てしなく自称)・須王環がホスト部の紅一点・藤岡ハルヒの顔をそれはもう至近距離で眺めながらうなっているのである。
 
 「う〜〜〜〜ん。」
 
 10分程その状態であるので、いくら何事にも淡白なハルヒでも反応を示した。
 
 
 「先輩、いい加減にしてください。
 
  
  ウザいです。
 
 
 
 「!!!!!」
 
 
 
 ハルヒのストレートなお言葉に環はいつもながらショックを受けたらしく。
 
 
 壁際に暗雲をしょって座り込んだ。
 
 
 「いや〜〜さすがハルヒ!!」
 「並の女だったらそこで顔を赤らめるvと言う反応を示すんだがな〜〜!」
 
 大笑いで近づいてくるのは常陸院の双子さん。
 「光、馨。」
 
 二人に気づくとハルヒは可愛い顔をくるっと二人に向ける。
 
 ((やっぱり可愛い!!))
 
 実はこの二人。
 ハルヒに至近距離で近づいていた環に多少以上むかついていた。
 
 だが、今は自分(達)の方に視線を向けている。
 それだけで、実はかなりの至福であった。
 
 
 「環。地下の地獄一歩手前まで足を運びたそうな顔をしている所悪いがそろそろお客様が来店される時間だ。
  とっとと浮上してくれないか?」
 
 にっこりと笑って二つ目の致命傷を負わせるのは副部長(兼 影の王)鳳鏡夜。
 
 しかし今度のとどめには環も少し反撃した。
 
 
 「鏡夜!!もう少し柔らかな言葉をオレは希望するぞ!!
  『なぜそんなに悩んでいたんだ?』とか聞くくらいのまろやかさがお前にも必要ではないか?!」
 
 「まろやかさ云々はおいておくとして聞いて欲しいんだろう。
  で、何を無駄に悩んでいたんだ?」
 
 
 
 「良くぞ聞いてくれた!!」
 びしっと人差し指をさし環は口を開く。
 
 
 「実はハルヒが元の愛らしいロン毛ストレートの状態で俺たちと出会ったところを想像してみたのさ!!」
 
 
 「はあ?」
 
 ハルヒはまだ諦めていなかったのかと冷ややかな視線を送る。
 
 
 ところが、他の面々は。
 
 まんまと環の妄想の世界にうっかり足を踏み入れてしまったのである。
 
 
 
 
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 ※第1話ハルヒ登場シーンより
 
 
 「ここなら静かそう…。」
 
 艶やかな長い髪。
 大きな愛らしい瞳。
 知的な眼差し。
 
  ラフな服装に身を包む、だが香るような美しい少女が第3音楽室に姿を現す。
 
 
 そして迎えるは6人のホスト部員たち。
 
 
 「いらっしゃいま……………」
 
 
 
 
 「!?」
 
 
 
 
 「せ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 一瞬その場所に明らかな衝撃が走る。
 
 
 
 
 
 「…かわいい。」
 
 最初に一言を発したのは王(キング)・環。
 
 
 「「あ、すげー同感。」」
 
 続いて双子。
 
 
 「1年A組奨学特待生…藤岡ハルヒくんだったね。
  いや、これほど可愛らしい女性だったとはオレも意外だな。」
 
 
 「ねえ僕なんだか君を見た時からどきどきしちゃってるんだけど!!
  これって何かの病気?!
  どうしよ崇〜〜〜!!」
 
 「……オレも。」
 
 
 
 
 「…????」
 
 
 
 目の前の6人の美麗集団が各々の世界に入り込んでいるのを目の当たりにして、ハルヒは回転のいいはずの頭が混乱するのを感じていた。
 
 
 
 
 
 「君!!」
 
 「ははははい?!」
 
 
 「どうだい?!俺と華やかな人生を歩んでみたいと思わないか?!」
 
 「はあ?!」
 
 いきなり中央に座っていた金髪・王がハルヒの手をぐわしっという字が見えそうなほどの勢いで掴み。
 しっかりとプロポーズまでぶちかましてきたりする。
 
 
 「「あ〜〜殿!!抜け駆けはずるいんじゃねーのか?!」」
 
 乱入する光・馨。
 
 「何を言う!!彼女は俺の!運命の女性(ファムファタル)なの!!」
 
 「うっわ〜〜やだね、ナルシストの思い込み!!」
 
 
 
 「あの、自分は地味に堅実に生きたいと…。」
 
 ハルヒは喧騒の迫力に気おされそうになりながらも一応とめようとする。
 
 
 「そうか。堅実に…ね。
  君ほどの頭脳の持ち主なら俺ともつりあうんじゃないかな。
  というわけで俺と…。」
 
 にっこりと爽やかに横から進入する副部長氏。
 しかし冷静な振りしてかなり動揺している様子で、言ってる内容が繋がっていない上に吹っ飛びすぎている。
 
 
 「だめだめだめ〜〜!!
  この子は僕と〜〜!!」
 
 「……。」
 
 
 そして大騒ぎしながら乱入する大小二名。(失礼)
 
 
 
 結局全員にひっつかまった(というか全員をひっつかまえてしまった)ハルヒはもみくちゃ…。
 
 
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 以上。
 
 みんなの妄想するであろう内容を総動員して最も起こりえるデータを抽出した結果である。
 
 
 
 「……。」
 
 
 
 
 ハルヒは柱によりかかり、頭痛に耐えていた。
 
 
 「よ…よかった…男に間違えられてて…。」
 
 
 
 
 他のメンバーはというと。
 
 
 ((((((確かに女の子の格好で来てたらもっとストレートに告白してたかも…。))))))
 
 
 と妙に納得していた。
 
 
 だって君は男として入ってきて、仲間になってしまったから。
 
 
 
 今さら恋人になってほしいなんて。
 
 
 いいにくいじゃないか?
 
 
 
 
 さて、このバトルロワイヤル
 
 
 勝てるヤツはいるのかな?   
 
                                 end
 


 またしても3ヶ月遅れた不届き者の相互作です。
初・桜蘭ホスト部!キャラクターがこゆくってかなり楽しい作品です。
今の所ハルヒとくっついて欲しいのは一番王道っぽい環くん。
見てて楽しいのは影の支配者・鏡夜くんですね。


匹さま、思いっきり遅れてしまい真に申し訳ありませんでした。
反省して精進します・・・。(泣)

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