たとえば こんな話。

 そう冗談のように言ったあなた。


 そして今。



        いつか


 

 「Hey Amakuni!」
 
 「Eric.」

 「What is being laughed at.(何笑ってるんだ?)」

 「It is not what.(なんでもねーよ)」
 
 「Did you remember a lover? (恋人の事思い出してたのか?)」


 友人の言葉に天国は少し微笑んで。

 左手の薬指にひかる指輪を見て、言った。



 「It is its fiance.(婚約者だ。)」




 



 「凪。猿野くんがニュースに出てるわよ〜〜。」

 「最近連日だな。いまや猿野くんもスターの一人だな。」

 「ホントね。」

 「もう、お父さんもお母さんも…。」

  微笑ましそうに笑う両親の間をすりぬけ、凪はテレビの前に座る。


 『次はメジャー情報です。
  明日いよいよ開幕戦を迎えるロジャーズ。
  今年入団した猿野天国選手は五番サードで先発出場が決定して…。』


  そしてブラウン管に移る最愛の人の姿。



  凪はそっと左手の薬指に口付ける。




  「頑張ってください。…天国さん。」



  

  

  『20にはメジャーリーガーになって華々しく結婚する予定なんだよ!』


  『んなわけあるか!!』





  

  あの頃の未来に 立つ 私たちは


  これからも未来に向かっていく。


  
  ずっと寄り添っていくことを願って。



  誓って。



  あなたと一緒に。

                              end
 
 

 

願望丸出し凪猿でした。
これも前回の剣猿同様もとはらくがきです。
短。

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