階段
トン、トン。
「ん…。」
どこかから、微かに誰かが階段を上ってくる音がする。
馨(ケイ)はうっすらと眼を開け、ベッドの横に置いている目覚まし時計を見る。
「5時半…?
誰だよ、全く…。」
いつもの彼女の起床時間は6時半。
まだゆうに一時間はある。
「アル…なわけはないし。」
仲間の一人、金髪のアメリカ人を思い浮かべる。
だが、年中遅刻魔の彼のわけはない。
彼の姉、ナフテラもしかり。
すると残るのは。
「都殻(トキ)?」
几帳面な義父(ちち)を思い出す。
あまり起き抜けから見たい顔ではない。
そう思い、自分に用があるのならドアの前から返事をして、戻ってもらおうと思った。
「仕方ないな…。」
身体を起こし、ドアの前に行く。
足音は案の定、自分の部屋のドアの前で止まった。
「都殻?」
足音の主は、返事をしない。
「…?違うのか?誰だ?」
まだ答えない。
「…誰だ。」
馨は警戒心を高める。
敵ではないと言いきれない。
その時。
「…姉さん…。」
たった一言聞こえてきた声。
それは。
「裕華(ゆうか)!?」
バン
大きな音を立てて馨はドアを開ける。
しかしそこには誰も居なかった。
だが、耳に届いてきた。
かすかに階段を下りる音。
「…裕華…?」
あの気配は確かに。
数年前に失った妹のもの。
「ケイ?どうしたの?
朝から派手な音をたてて。」
ケイの隣の部屋で眠っていたナフテリアスが声をかける。
「…いや、なんでもないよ。」
「そう?
誕生日だからって、浮かれてたんじゃない?」
「え?」
ナフテラの言葉に気づいた。
そうか。今日は。
私の19回目の 誕生日。
一番最初にプレゼントを持ってきてくれたのは
君?
end
だ…大多数の人には意味不明なやってしまいましたオリジナル!
この登場人物方の説明はオリジナルにあります。
もしこんなものを読んでくれたきちょ〜〜〜なお方がいらっしゃいましたら、
そちらをご覧になれば少しくらいは人間関係がお分かりと思います。
ちなみに言葉遣いではわかりにくいですが、これの主人公 馨は女性です。
ではでは。
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