後悔なんて 執着する奴がするもんだ。
だからオレにはカンケーねえ。
…だろ?
KUSABI
「きゃああああああっ猿野さん!!!」
盛大なブレーキ音で正気に戻った。
ここ どこだよ?
オレは確か家に帰るとこだったよな?
じゃあ、なんで猿野がここにいるんだ?
猿野天国。
十二支高校のシロート野球部員。
初めて会ったのは数日前の練習試合。
それ以来なんでか分かんねーけど、そいつの事が頭から離れなかった。
だから、昨日偶然あった猿野を。
犯した。
何で?
何でコイツが今ここにいる?
どうして血を流してぶっ倒れてるんだ?
「猿野さん!!しっかりして!!」
何か女が一人、猿野に駆け寄ってった。
…そういえば、さっきこの女が猿野と歩いてたような気がする。
それで…どうしたっけ?
『忘れてやる。』
頭ん中で猿野の声が響いた。
ああ、昨日こいつそんなこと言ってたよな。
ヤられた後に、言ってたっけ。
何かその言葉にマジムカついて…も一回突っ込んだんだ。
そのあと…気がついたら猿野いなかったっけ。
流石にオレもヤベーかなって思ったけど。
でも後悔なんかしてなかった。
そん時は。
あ、救急車が来た。
警察も…。
ぼんやりとした風景。
あいつ、血流してたよな。
マジ…倒れて。
怪我したんだよな…やっぱり。
もしかして。
死
ゾクッ
何だ?
「ええ、見ました。あの男の子の方から突然車に…。」
「では、被害者の方から?」
「はい。私見ましたけど、急に驚いた顔をしたと思ったら、そのまま…。」
「なんだか何かから逃げるようでしたわ。」
逃 げ た ?
何から?
『み や な ぎ』
あ
そうだ。
あいつはオレの顔を見たとたんにカラダを動かしたんだ。
オレから
逃げて
それで
オレから
###########
「…幸い命には別状はないそうです。」
数日後、オレは猿野の病室を訪ねていた。
会いたくてたまらなかったから。
そしたら、あの女がいた。
野球部のマネージャーらしい。
オレの事 華武の生徒だって知ってたみてーで、聞く前に猿野のことを教えてくれた。
そっか。死なねーんだ。
よかった…。
柄にもなくほっとしてる自分。
「でも…もう野球は出来ないって…言われました。」
「え?」
その女子マネは大人しげな風貌に似合わず、オレを睨みつけてきた。
涙を滲ませた瞳で。
「貴方を見て、猿野さんは急に飛び出したんです!!
私、隣に居たからはっきり分かりました!!」
「…っ!」
「御柳さん!!あなた猿野さんに何をしたんですか?!」
激しい問い。
オレの人生ん中でこんなに女に追い詰められたのってマジ初めてだよな。
「…猿野…。」
ポツリと呟く。
そうだよな。
オレのせいだ…。
「…ん…。」
「猿野さん?!」
猿野の意識がもどったらしい。
「あ…凪さん。来てくれたんですか。」
「猿野さん…。」
凪と呼ばれた女子マネは猿野に駆け寄り、嬉しそうな笑みを見せた。
「…あれ?」
…やばい。オレに気づいた。
らしくもなく、動揺する。
けど。
「お前、誰だっけ?」
猿野から帰ってきたのは、その一言だった。
後悔って、執着するものがある奴がするんだよな。
オレも執着してたんだ。
猿野に。
だけどオレが打った楔は
大きすぎる代償と共に
崩れ落ちてしまったんだ。
END
ぐら様リクエストの芭→猿→鳥です…が、何かぜんっぜん違う代物になってしまいました。
ぐら様、本当に申し訳ありません!!
救いがないです…。
っていうか芭唐弱すぎる?凪ちゃんにも負けてるし。(おいおい)
行間あけまくってるし・・・。
もっと精進します・・・。(泣)
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