無防備



静かな病院の一室。
徐々に秋めいた風景を窓に眺めながら、天国はそこにいた。

ベッドの傍に立つある男に身体を預け。

ただゆったりと時が過ぎるのを感じていた。


「てんごく君…。夢みたいだよ。」

天国の身体をうっとりと抱きしめるのは鳥居剣菱。
この病室の主であった。


病の悪化により入院をやむなくされていたのだ。


だが今は、病に負けそうな辛い想いも吹き飛ぶほどに、剣菱は幸福を感じていた。

誰よりも愛する人をこの腕に抱いているのだから。




ずっとずっとこのままでいたい。



ずっと…。



剣菱は無防備に身体を預ける天国の体温をあますことなく感じていた。

































「で、これでいいんですか?凪さん。」

「すいません猿野さん。
 兄が「てんごく君抱っこしたら元気出るのに」って…。」


「悪いね〜〜てんごく君。
 あ、でも一緒に寝たら病気治っちゃうかも〜〜〜。」







どごっめしゃ。






「あ、猿野さんまた明日学校で。」
「はい。」



天国の去り行く病室では妹の鉄拳に倒れた剣菱の姿があった。


                                                 end



これは絵に描いたのを文章にしました。
そのためひじょ〜〜〜に短いです。
ま、たわいないギャグということで。…剣菱さんラブの方すみません。


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