「お〜い、こら。」
「あ?」
御柳が気がついたのは、見慣れた天井。
どうやら自室のソファで眠っていたらしい。
しかし、今起こした声は…。
「あ、天国?!」
何故か恋人、猿野天国だった。
今自分の目の前でにっこり最上級の笑顔を見せている。
…何故ここにいるのか非常に聞きたい所ではある。
が、ソファに横たわる自分にかなり至近距離で覗き込む恋人。
…非常に美味しい。
なら、聞く前にこのチャンスを逃さずに。
「うわっ!!」
問答無用で天国の首の後ろで両手を組み、引き寄せた。
「んっ…んんっ。」
そしてそのまま口付ける。
柔らかくて、甘くて。
最高の唇に喰らいつく。
「って、てめえ、いきなりこれかよ!!」
2分ほどたっぷりキスして唇を離すと、開口一番で怒鳴ってきた。
「ん?だって、目覚めてすぐに美味しそうな唇がありゃ
食いたくなるのが男ってモンっしょ?」
にんまり笑って御柳は答えた。
悪いなんて思っちゃいない。
「はあ。全く、驚かしてやろうかと思ったのに、つまんねー。」
ため息と共に天国はつまらなさそうにため息をついた。
「いんや、じゅーぶん驚いたぜ?」
「〜ホントかよ?」
「ほんとほんとv」
そう言いながらソファから身を起こすと、もう一度天国の腕を引き、今度は天国をソファに押し倒した。
「ぶっ!!」
「驚かせついでに誘ってくれたら嬉しいぜ?」
御柳は天国意外に見せない最上級の笑みで天国に覆いかぶさった。
「…んの・・・。」
(ありゃ、やっぱ怒ったかな?)
すると。
「え。」
御柳の背中とうなじに天国の腕が絡まる。
「…たまには、いーぜ?」
ちょっと頬を染めて、天国は微笑んだ。
(・・・むちゃくちゃ可愛い…。)
「くそ、反則じゃん?」
「お前が言うな。」
くすくすと互いに笑いながら、二人はゆっくりと抱きしめあう。
温度