それぞれに それぞれの 決めた道を歩き
いつの日か微笑んで
また会えるその時まで
「それぞれに」 唄:中孝介
旅立ち
「卒業おめでとうございます!」
「子津キャプテン!お世話になりました!」
「辰羅川先輩、ご指導ありがとうございました!」
「兎丸先輩、また遊びましょうね!」
「司馬先輩、今度会った時はもうちょっと喋ってくださいよ!」
「犬飼先輩、プロでも頑張ってください!」
「あ、猿野先輩!!」
あなたのこと 絶対 忘れない。
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「猿野…。」
「よぉ、司馬。」
卒業式が終わって。
後輩との挨拶も済ませて。
打ち上げにいくまでの、少しの時間。
天国は一人屋上でフェンスにもたれていた。
それを見つけたのは、司馬だった。
「こんなところにいたんだ。」
「ああ、まだ打ち上げまで時間あるだろ?
ちょっとたそがれるのもいーかな、とか思ってよ。」
「そっか。」
カシャリ、と音を立て司馬もフェンスにもたれた。
「…とうとう卒業だな…。」
「うん…。」
感情を抑えた、でも寂しそうな声で天国は呟く。
「すっげーしんどかったよな。」
「うん。」
「すげー…楽しかったな。」
「うん。」
司馬は天国の言葉に、ただ頷いた。
万感きわまる、とはこういった感じなんだろうなと、妙に納得したりした。
横で、かすかに鼻をすする音が聞こえた。
天国は泣いているんだろう。
今日は皆泣いた。
子津も、辰羅川も、兎丸も。
犬飼もこころなしか目が潤んでた。
司馬も、泣いた。
そして天国は。
今、泣いた。
「また会えるよ。」
「そうだな。」
「また会おうね。」
「そうだな。」
そうだ、明日皆をを僕の家に呼ぼう。
これからの僕たちにぴったりの唄を知ってるんだ。
それぞれの道に分かれて、でも根っこは一緒な。
僕たちにぴったりの唄を。
君に聞かせたいんだ。
「行こう、猿野。」
僕たちは 今日 十二支高校に別れを告げる。
end
何を思ってか季節に全く合わない卒業ネタです。
うーむ、しかもCPじゃないし。
司馬+猿で…。
単に中孝介の「それぞれに」という曲が好きで、
これ司馬君が卒業式で弾き語りとかしたらじんときそうだな〜とか思って書いただけです…。
ホントすみません。
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