それぞれに それぞれの 決めた道を歩き

いつの日か微笑んで

また会えるその時まで

「それぞれに」 唄:中孝介

旅立ち


「卒業おめでとうございます!」

「子津キャプテン!お世話になりました!」

「辰羅川先輩、ご指導ありがとうございました!」

「兎丸先輩、また遊びましょうね!」

「司馬先輩、今度会った時はもうちょっと喋ってくださいよ!」

「犬飼先輩、プロでも頑張ってください!」

「あ、猿野先輩!!」



あなたのこと 絶対 忘れない。



######

「猿野…。」

「よぉ、司馬。」

卒業式が終わって。
後輩との挨拶も済ませて。

打ち上げにいくまでの、少しの時間。


天国は一人屋上でフェンスにもたれていた。

それを見つけたのは、司馬だった。


「こんなところにいたんだ。」

「ああ、まだ打ち上げまで時間あるだろ?
 ちょっとたそがれるのもいーかな、とか思ってよ。」


「そっか。」


カシャリ、と音を立て司馬もフェンスにもたれた。





「…とうとう卒業だな…。」

「うん…。」

感情を抑えた、でも寂しそうな声で天国は呟く。


「すっげーしんどかったよな。」

「うん。」



「すげー…楽しかったな。」


「うん。」



司馬は天国の言葉に、ただ頷いた。


万感きわまる、とはこういった感じなんだろうなと、妙に納得したりした。



横で、かすかに鼻をすする音が聞こえた。


天国は泣いているんだろう。



今日は皆泣いた。


子津も、辰羅川も、兎丸も。
犬飼もこころなしか目が潤んでた。


司馬も、泣いた。



そして天国は。

今、泣いた。





「また会えるよ。」



「そうだな。」



「また会おうね。」



「そうだな。」



そうだ、明日皆をを僕の家に呼ぼう。


これからの僕たちにぴったりの唄を知ってるんだ。



それぞれの道に分かれて、でも根っこは一緒な。



僕たちにぴったりの唄を。



君に聞かせたいんだ。





「行こう、猿野。」



僕たちは 今日 十二支高校に別れを告げる。



                                          end

何を思ってか季節に全く合わない卒業ネタです。
うーむ、しかもCPじゃないし。
司馬+猿で…。

単に中孝介の「それぞれに」という曲が好きで、
これ司馬君が卒業式で弾き語りとかしたらじんときそうだな〜とか思って書いただけです…。
ホントすみません。


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