これは合宿最終日、件のエスコート肝試しの話・・・
「ホレ次猿野〜。 犯罪ざたおこすなよ〜。」
これまで明美として女性役に徹した天国についに本来の出番が回ってくる。
「お・・・おっは〜・・・。」
当の天国だが、少し疲れているように見える。
「どうしたっすか?猿野くん。息切れてるっすけど・・・。」
「い…いや、ちょっとな。」
原因を言わない天国に子津は一瞬怪訝な顔をするが、天国の後ろを見てすぐに原因を把握できた。
「猿野くーんっ!! ウェディングドレス脱いじゃだめだ!!せっかく僕と結婚したのに!!」
「…いい加減諦める也。牛尾…。」
天国の後方では先ほど明美と式をあげた牛尾が蛇神に羽交い締めされながら往生際の悪い事をしていた。
羊谷は三匹の猿を装着し先に進める事を選択した。
「………どれどれ…。この季節外れの海岸バカにあたる可哀想な女の子はと。」
「夜摩孤撫子」
「えっ私ですか。」
意外にも天国はかなりの好カードをひいた。
三年(本当の)マネージャー、夜摩孤である。
だが、内なる夜摩孤(byナルト)はかなり凶暴に残念がっていた。
(ちっ。よりによって世紀末の猿の惑星とかい。どうせ男と二人やったら犬飼くんvみたいな
イケメンがええに決まっとんによ〜。)
外見にはまったく出さずにそんな事を思いながらしっかりと外面をかぶる。
「お恥ずかしゅうございます。殿方と二人きりなんて・・・。」
「猿野テメー!!」
そんな中猿野君はしっかりと袋叩きをくらっていた。(ただしレギュラー陣は除く)
(・・・しかし天国の奴が女の子と二人っつーのは久しぶりだな。やりすぎんじゃねえぞ・・・)
そして沢松は一人別のことを危惧していた。
そんなこんなで肝試し大会は再開。
「じゃ、いきましょうか…。夜摩孤先輩!」
にこっ
(え・・・。)
意外にも天国の見せた笑顔はとても爽やかで魅力的だった。
(何・・・この猿人・・・結構イケてんじゃねえか・・・?)
「今夜は絶好の肝試し日和ですねー。」
「は・・・はい。」
天国は夜摩孤が怖がらないようにとさりげなく気遣いながら爽やかに声をかける。
しかも夜摩孤が転んだり怪我したりしないように先導してくれた。
それは押し付けがましくなく、とても自然な振る舞いだった。
「さっきから何回も通ってますからね。あ、ここ枝が出てるから気をつけて」
(何やら緊張する・・・さっきの笑顔が原因か。思ったよりこの猿・・・。)
ビュオオオッ
「キャアッ!」
突風に驚き、夜摩孤は天国にすがりつく。
それは夜摩孤にとってはごく自然な「ぶりっ子」だった。
(し・・・しまった。ついいつもの癖で・・・。まあいい。・・・妙な事してみい。ぶっつぶしたる。)
物騒な事を考えながら天国にしがみついたまま、夜摩孤はどこか緊張していた。
「大丈夫、突風ですよ。」
(んなこたぁ分かってるわい!)
心の中ではまったく別のことを考えつつ、夜摩孤は自然にぶりっ子を続けてしまう。
「猿野くん・・・怖い・・・。少しだけ・・・このままで・・・。」
(何を言っとるんじゃわしゃあ!!!)
長年かぶり続けた猫の毛皮はそうそうはがれてはくれないらしい。
しかし、その毛皮の合間のほんの少しの本音があることが夜摩孤を混乱させていた。
「大丈夫。巫女先輩、少し顔上げて・・・?」
「え・・・?」
ふと顔を上げた夜摩孤の額に柔らかい感触があった。
天国の唇だった。
(こ・・・このガキャぁ・・・)
振り上げそうになったこぶしが固まる。
そこにあったのは天国の整った顔立ちと、優しい笑顔だった。
「失礼…。でも安心して?オレがいますから。」
(か・・・カッコいい・・・。)
夜摩孤は素直にそう思った。
「さ、行きましょう。」
「猿野くん・・・。」
天国は夜摩孤に手を差し伸べ、エスコートを再開する。
夜摩孤はそのまま猿野の腕に抱きついた。
「猿野くん・・・v素敵・・・。」
猿野組ゴール・・・・イン?
「猿野く〜〜〜んvもう好きにしてvvv」
「あ・・・あの夜摩孤先輩、もう終わりましたから・・・。」
夜摩孤撫子 陥落。
(あーあ、やっちまったか・・・あの天然たらし・・・)
end
猿受のバイブル、64発目から捏造しました。
夢見すぎのハンサム猿ですvいや、明美さんとしての扱いはよかったんですけど
天国の扱いが・・・ドブ川より汚い唇とか言われちゃってますので、ちょっと悲しかったんですね。
というわけで男性としての64発目の天国くん、名誉挽回の意味も込めて書いてみました。
まとまりのない文章で申し訳ないです。
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