また来てしまった。
鏡の扉に、ガブリエルはゆっくりと手をかざす。
そして抜け出た先は。
雪の舞い降る、氷の要塞。
##############
「あ…ぁ…っ。」
「ガブリエル…。ん…。」
ドラキュラの唇が甘いあえぎを覆う。
激しい愛を伝える口付け。
冷たい指は温かい指を更に熱くたぎらせていく。
「愛してる…。」
いつも返せない答えを、待っている。
愛を伝え続けて。
###########
「起きたか。」
「……。」
目を覚ますと、傍にドラキュラが居た。
既に衣服を整えている。
ガブリエルも、ゆっくりと体を起こすと衣服を身に着けた。
「帰るのか?」
「ああ。」
「帰さないと言ったら?」
ガブリエルの背中が一瞬止まる。
「……。」
「……そうか。」
ドラキュラは返答のないガブリエルの背中にゆっくりと近づくと、その体を後ろから抱きしめる。
「そうして欲しいと言いたいのだろう?
ガブリエル…。」
「……。」
否定することもできなかった。
だが、肯定を口にすることも出来ない。
「愛してると言いたいのだろう?」
「……ヴラディスラウス…。」
口にすることなどできはしないのだ。
「神の左とは…なんと大いなる呪いなのであろうな…。」
他の愛を許さない無償の愛を求めるものの償いの愛。
なんと傲慢なものに腕の中の存在は縛られているのだろう。
それでもひと時では足りなくて。
求めて。
「望んで…いてくれるなら…。」
彼はまた扉を抜けてここに来るだろう。
望んでくれる存在がいるのならば。
また私たちは会えるだろう。
あの扉を超えて。
end
本気で訳わかりません!!でも伯ヘル(ガブ)です!!
気分だけで書きました!!
夫の目を盗んでこそこそ会いに来てる不倫妻かッつー感じですね…。
これは長編とは関わりないです。多分。
鏡の扉抜けるシーン大好きなんです…。
戻る