遥かなるあなたに
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「御柳く〜ん!」
「あ?」
ここは御柳芭唐の通う高校。
最後の授業とHRを終えて、そろそろ帰ろうかという時の出来事だった。
芭唐はクラスメートの女子から声をかけられた。
「ねえ、御柳くんってこの…。」
「うるせぇ。」
まさしく一蹴すると、芭唐は踵を返す。
彼女が聞こうと思った内容を把握したからだ。
彼女が声をかけながら手にしていたのはあるファッション雑誌だった。
そこに載っていたのは。
自分の誰よりも大切に思う
保護者の姿。
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「はい、天国〜今度はこっち。」
「ん!」
多くのフラッシュに包まれ、天国はカメラマンの注文したとおりの表情を向ける。
天国は業界でもプロ意識が高いと評判の人気モデルだった。
その容貌は中性的であり、神秘性をも感じさせた。
作る側の意図するイメージをしっかりと受け取り、そのまま、もしくはそれ以上の魅力ある姿を引き出し
読者はもちろんスタッフをも文字通り魅せていた。
「よーしっ、今日の撮影はここまでだ。」
「っしゃ〜!さすが、天国くんの時は早いっ!」
「そりゃ天国くんの才能だよな〜。」
「何言ってんですか。秋山さんのイメージがしっかりしてるから速く終わるんですよ?」
「あはは、天国くんにそう言ってもらえるとうれしいよ?」
撮影終了後、天国は他のスタッフに囲まれながらわいわいと会話を楽しんでいた。
「天国!」
「ん?あれ、芭唐。」
聞きなれた声に天国が振り向くと、そこに天国にとってのたった一人の家族と言える存在がいた・
「どうしたんだ?迎えに来たのか?」
自分の姿を確認したとたんにすぐ傍に来てくれた。
その事がいつもの事ながら芭唐の心を暖かくした。
「あれ、芭唐くん。久しぶりだね。」
「…牛尾さん。」
天国の後ろからやってきたのは、天国の所属するモデル事務所の社長の息子だった。
彼本人もかなりの美青年であり、モデル活動も行っていた。
そして、天国とは親しい間柄だった。
ここには、自分のいない天国の世界が広がっていた。
To be Coninued
えーと、やっと本編開始の割には…今までで一番短い?
さあ、これから頑張るぞ…。
コメントにも力が入らない今日この頃でした…。
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