遅かりし感情



7

「だから、ゴミ捨ての時に階段からすべり落ちてだなあ。」



長門くんと彼女が部室に来てからそろそろ一時間。

涼宮くんはまだ尋問を続けている…が、
堂々巡りの域に入っている。



彼女の説明によれば、ゴミ捨ての当番だったらしくその途中で階段で踏み外し
それを目撃したのが榊くんだったようだ。



筋は通っている。


涼宮くんへの説明としては問題はない。

彼が堂々巡りをしてるのは単に苛立ち故で、
何らかの疑いを抱いてるわけではない。



しかし僕は疑っている。

説明の通りならさっき廊下で会った時に説明できたはずだ。


それにあの時の彼の眼。



紛れも無く僕への敵意が見て取れた。
多分僕も彼と似たような顔をしていただろうが。



彼女は僕の感情はおろか彼の感情も露ほどに気付いてはいないだろうけど。
涼宮くんの分かりやすい反応にも気付いてはいないくらいだから。

つくづく罪深い人だ。



…まあそれはそれとしても、彼の視線と彼女の怪我。

確かに彼女は怪我をしている。
おそらく階段から落ちた怪我ではない。

長門くんは知っているだろうが僕の質問に答えてくれるかは分からない。



…だが知る必要はありそうだ。

彼女が僕にも隠したがるということは僕にも関係があるだろう。



…想像がつかないわけではない。


後で僕も尋問させてもらうとしようか。
それとも。



…聞いてみるか。




彼に。


                          To be Continued…



皆様あけましておめでとうございます!
新年早々やっぱり再録で申し訳ありません;;

さて久しぶりの超マイナーCP小説、
視点は移り古泉くんに。次は…また視点変わります。

ややこしくてつくづくすみません…。




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