彼方へ
17
ガブリエル
どうしてお前はいつも私の予想を裏切るのだろう
逆らわないで
拒まないで
いや
例えお前がどこまで逆らったとしても
私はお前を離さない
永遠に…
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「…っ!!」
「ガブリエル様!」
ガブリエルが気がつくとそこはウァレリアス城のガブリエルの私室。
アンナ・ベルが心配そうに自分の顔を見下ろしているのに気付いた。
「アナ…?」
「ああ、良かった!お気づきになられたのですね?」
「私は……っ!!」
徐々に戻り始めた意識とともに、最後に感じた感覚を、ガブリエルは思いだし瞬時に表情を変えた。
そして、吠えるような声とともに床に起き上がった。
「アナ!!ウ゛ラディスは?!ウラディスはどこです?!」
「ガブリエル様!?何を…!」
「答えなさいアナ。ウラディスは今どこに…!?」
アナは目の前の存在のあまりの勢いに驚き、半ばその勢いに押されるまま、答えた。
本当は秘密にしておくつもりだった答えを。
「ガブリエル様…兄は……今、この城にはおりません。」
アナの言葉に、ガブリエルの表情は凍り付く。
「…どういうこと、ですか…!?」
「言葉の通り…です。兄は…あなたがお倒れになっていたあの日から…姿が見えないんです。」
ウラディス
「ガブリエル様!?」
気付いた時、ガブリエルはアナの制止を振り切り部屋を飛び出していた。
身体にはまだあの時の圧迫感や、それと違う刺すような痛みがあり、ガブリエルを苦痛におとしめていたが。
気にしてはいられなかった。
もし、自分が思っていた通りなら。
(私は…何の為に…!)
そしてたどり着いたのはウラディスラウスの私室。
バァン
音を立てて入った部屋にはアナの言った通り人の気配はなかった。
何度も入ったウラディスラウスの部屋。
だか、ガブリエルは見た覚えのない入口を発見した。
「…。」
ガブリエルは自らに冷静を促しつつその入口に入っていく。
まだ悲しいほどに淡い期待を抱きながら。
しかし、再下層まで降りたガブリエルの目に映ったものは。
「あ…あぁ…。」
まごうことなきうずたかく積まれた神に背く者の書と、細かく描かれた魔法陣。
そして、神に仕える者であるガブリエル自信の肉体と魂が
友とし心を預けた者の背徳を逃れようもなく強く感じさせた。
「うわあぁあぁあああぁ!!!!」
そして、天使は神の手の届かない場所で
咆哮した。
To
be Continued…
今回はつなぎですね…でも書きたかった部分です。
短くてすみません(^_^;)