※この話は「サイドエム」松井2号さまの剣猿漫画「Gyve」を元にしています。(許可取得済)
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「剣菱さん」

 「剣菱さん」

 「……。」


 病室の前でお兄ちゃんにすがり付いていた貴方を見たんです。
それで、全部分かっちゃいました。

私は貴方をお兄ちゃんに全部とられたんですね。

お兄ちゃんはひどく嬉しそうに笑ってるのね。

 嬉しいんでしょう?
分かるよ、私はお兄ちゃんの妹だもん。


嬉しくて仕方ないのよ。


そして私はお兄ちゃんが羨ましくて仕方ない。


 もうすぐとまる息の根を今すぐ止めてやりたいくらいに。



######



 ああ、凪。
すごく感情的になったんだね。

 今のお前、目だけでオレを絞め殺しそうだよ?
そうしたのはてんごく君だよね、それから勿論オレ。

 凪の事大好きだよ?それは変わらない。
でもてんごく君が凪のものだったらオレも凪の事そーゆー眼で見てたんだろうな。

だからオレは悪いことしたとか思わないよ。

だってこんなにいとしいこの枷になれる。

そんなに嬉しいことってないだろ?凪ならよくわかるよねえ?

だってお前はオレの妹だもんね。



わかるだろ?


てんごく君はオレのものだよ?


 #####



泣き崩れる貴方にお兄ちゃんはキスした。

 からだが、燃え上がりそう。


離れてよ。触らないで。その人に。
その人は私のものだったのよ。

 この泥棒。

なんて、昼のドラマみたいな台詞が頭を駆け巡る。
アイとかニクシミとかこういうものだってわかる。


身をもって、わかる。


殺したい。殺したい。

かえして。


#####



かえさないよ。

もうオレのものだもの。

お前には感謝してるよ、だってお前のおかげで彼に会えたからね。
アイって言葉の本当の意味を教えてもらったから。

オレのからだはそのうち動かなくなるけど
オレはいちばんだいすきな彼のなかに全部残るんだ。

 ずっと。

だから、お前にもかえさないよ。



######



 「剣菱さん」

オレは君の枷となる。


 私は何になるの。


お前は…そうだね。

「剣菱さん」




 枷を映す鏡、かな?


                          

end



続編


というわけで突発短文です。
今回はホントに勢いで書きました。
2号さんの剣猿漫画があんまり素敵なんで…というか2号さんのコミックは全てお勧めです!
リンクページからも「サイドエム」に飛べますので是非一見してくださいませ。

そして勝手に書いたのに快く許可を下さった2号さん、本当にありがとうございました!

鳥居兄妹はどうしてこう険悪なのが好きかな…。



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