※この話は「サイドエム」松井2号さまの剣猿漫画「Gyve」を元にしています。(許可取得済)
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「剣菱さん」
「剣菱さん」
「……。」
病室の前でお兄ちゃんにすがり付いていた貴方を見たんです。
それで、全部分かっちゃいました。
私は貴方をお兄ちゃんに全部とられたんですね。
お兄ちゃんはひどく嬉しそうに笑ってるのね。
嬉しいんでしょう?
分かるよ、私はお兄ちゃんの妹だもん。
嬉しくて仕方ないのよ。
そして私はお兄ちゃんが羨ましくて仕方ない。
もうすぐとまる息の根を今すぐ止めてやりたいくらいに。
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ああ、凪。
すごく感情的になったんだね。
今のお前、目だけでオレを絞め殺しそうだよ?
そうしたのはてんごく君だよね、それから勿論オレ。
凪の事大好きだよ?それは変わらない。
でもてんごく君が凪のものだったらオレも凪の事そーゆー眼で見てたんだろうな。
だからオレは悪いことしたとか思わないよ。
だってこんなにいとしいこの枷になれる。
そんなに嬉しいことってないだろ?凪ならよくわかるよねえ?
だってお前はオレの妹だもんね。
わかるだろ?
てんごく君はオレのものだよ?
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泣き崩れる貴方にお兄ちゃんはキスした。
からだが、燃え上がりそう。
離れてよ。触らないで。その人に。
その人は私のものだったのよ。
この泥棒。
なんて、昼のドラマみたいな台詞が頭を駆け巡る。
アイとかニクシミとかこういうものだってわかる。
身をもって、わかる。
殺したい。殺したい。
かえして。
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かえさないよ。
もうオレのものだもの。
お前には感謝してるよ、だってお前のおかげで彼に会えたからね。
アイって言葉の本当の意味を教えてもらったから。
オレのからだはそのうち動かなくなるけど
オレはいちばんだいすきな彼のなかに全部残るんだ。
ずっと。
だから、お前にもかえさないよ。
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「剣菱さん」
オレは君の枷となる。
私は何になるの。
お前は…そうだね。
「剣菱さん」
枷を映す鏡、かな?
end
続編鏡へ
というわけで突発短文です。
今回はホントに勢いで書きました。
2号さんの剣猿漫画があんまり素敵なんで…というか2号さんのコミックは全てお勧めです!
リンクページからも「サイドエム」に飛べますので是非一見してくださいませ。
そして勝手に書いたのに快く許可を下さった2号さん、本当にありがとうございました!
鳥居兄妹はどうしてこう険悪なのが好きかな…。
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