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4

「は…ぅ…っ…。」
校舎裏で散々に秘孔を弄られたケン一は、押し寄せる快感に必死で耐えていた。
 
「いーかげん諦めれば?もう4回はイったくせに。」
ケムマキはケン一が早々に懇願すると踏んでいたが、ケン一は思ったより頑なに耐え続ける。
 
(その方が面白ぇけどな・・・。)
 
ケムマキはふと思いつくと、ケン一の制服を整え始めた。
「……?」
ケン一はケムマキが止めるつもりなのか、と一瞬安堵したが、内にこもる熱がこの行為を続けて欲しいと訴えていた。
ケン一はそんな自分を信じたくなかった。
 
「来な。ケン一。」
ケムマキは制服を全て着せると、腰砕けな状態のケン一を強引に引っ張っていった。
 
 
 
「ケム…マキ?どこに…。」
学校を出たケムマキが来た方向は、ケン一の家とは別の方向だった。
ケン一はケムマキの意図が読めず、先ほどからの行為も手伝ってケムマキへの恐怖を押さえ込む事ができなかった。
 
 
一方、ケムマキの方は正体の分からない苛つきに戸惑いを覚えていた。
その時。
 
 
 
「…リ、く…。」
 
 
 
 
小さな呟き。
 
それはケン一の思いの矛先。
 
 
 
 
なにかがはじけ飛ぶ。
 
 
 
 
 
 
「ケ…っケムマキ…っ?!」
突然ケムマキは狭い路地の間にケン一を引っ張り込んだ。
有無を言わせない力。
 
 
「や…やだ…ッ…!」
「聞こえるぜ。」
必死で拒絶するケン一にケムマキはたった一言を投げかける。
そしてケン一の学ランの下のシャツをたくしあげズボンの前を無言ですばやくこじ開ける。
 
「…!!」
まぎれもなく、犯す気だった。
ケン一は助けを呼ぶ事も既にできない姿にされた。
(…そんな…っこんな所で…!!)
 
ケン一は絶望的な気持ちになった。
しかし、ケムマキの行動は更にケン一を驚愕に陥れる。
 
ケン一の身体を表通りの方向に向かせ、自分はケン一の後ろからケン一のモノを握りこんだのである。
 
「−−−−−っ!!!!」
冗談ではない。
放課後とはいえ、まだ夕方。
表通りの人影は決して少なくはない。
誰かがもし、この路地裏に視線を向ければすぐに気づかれてしまう。
あられもない姿を見知らぬ人々の目にさらす事になってしまうのだ。
 
 
「や…やめて…くれ…っこんな…ぁんっ。」
「こんな…?」
見られるかもしれないという不安と恐怖は、ケン一の感覚を数倍も鋭いものにする。
その結果。
 
「んん・・・ッ…く…ぅん…っ。」
「へー。見られるとカンじるわけ。」
「ち…が…ぁあ…っ。」
ケン一はぽろぽろと涙を流しながら必死で快感と戦っていた。
 
 
ケムマキは、ケン一の耳元で微かに呟いた。
 
 
 
 
「淫乱。」
 
「!!!」
 
 
 
ビクッ
 
 
 
 
ケン一はこの日何度目かの頂点に達し、意識を途切れさせた。
 
 
 
 
 
 
 
 
#########
 
 
 
「夢子どの!!」
「あら、ハットリ君。」
 
 
その頃、ハットリは校内でケン一の姿を探し続けていた。
下校時に迎えにいって、護衛をするつもりだった。
 
だが、ケン一の姿は一向に見つからなかった。
一足違いだったか?
そう思い始めた時、ハットリは見知った少女を見つけた。
 
 
「ケン一氏を見なかったでござるか?」
「あら、ケン一くんならさっきケムマキ君と帰ったわよ?」
 
夢子の口から出たのは、意外な人物の名だった。
少年の日に何かと自分に対しライバル意識を募らせていた少年。
 
 
「あら、ハットリ君、ケン一君から聞いてなかった?
ケムマキ君、昨日私たちのクラスに転入してきたのよ?」
 
 
昨日。
 
暴行の跡。
 
ケン一の様子。
 
 
 
 
ケムマキの存在。
 
 
 
「…まさか…!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
幕は 既に あがっていたのだ。
 
 
 
 
                                         To be Continued…
 
 
 
 
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