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 結局ケン一はそのまま2時間目の終わりまでぐっすりと眠り、すっきりした気分で3時間目から授業に臨んだ。

 夢子もすっきりとした面持ちのケン一を見て安心したらしく、朝の様子を気にかけるのをやめることにした。

 

 そして何事もなく時間は過ぎ去っていった。

 
 ケン一も夢子もいつもどおりに授業を受け、ケムマキは昨日に引き続き女子に囲まれていたため、ケン一たちと話す事はあまりなかった。


 
  
 そして放課後になる。



 「じゃあ夢子ちゃん、また明日。」
 「うん、またね。ケン一君、身体に気をつけてよ?」
 心配なんだから…。


 少し切なそうな瞳でケン一を見つめる夢子だったが、ケン一は特に気にした様子もなく笑顔を返す。

 「大丈夫だよ、もうすっきりとしてるし・・・。」
 「おいケン一君、良かったら送っていこっか?」


 いつのまにかケムマキはケン一の後ろに来ていた。
 
 「あら、ケムマキ君。そうね、ケムマキ君に送ってもらうといいわ。ハットリ君にも会えるし・・・。」
 「・・・・・・・・・。」

 ケン一はすぐには返事をしなかった。いやできなかった。
 ケムマキに対する得体の知れない恐れがケン一の気づかないところでケン一の心を覆っていたのだ。


 「どうした?送って行くぜ?」
 「・・・う、うん。ありがとう。あ、でも僕掃除当番だし・・・。」

 「水臭ぇな。待っててやるよ。それっくらい。」
 にっと口の端をあげて笑う。その笑みは好意を示しているように見えた。
 
  
 そう 見せていた。


 「そうよ、さっきの今でまた倒れちゃったら大変だわ。ケムマキ君なら力もあるし。」
 「そ、忍術もあるし・・・なv」
 安心させるように軽くウインクをしてケン一を促す。
 それはとても魅力的な、要するに格好良い男性の表情で、男のケン一も少しどきりとするほどであった。

 
 「・・・分かった。待っててくれる?」
 
 ケン一はケムマキの申し出を承諾した。



 

 そうしてはならなかったのに。





 あと・・・15分。






 「ケムマキ君、お待たせ!」
 「おう、早かったな。」
 10分少々たったころ、ケン一は掃除を終え、玄関で待つケムマキの元に走って行った。

 「うん、他の当番の子がごみ捨て変わってくれたから。」

 「そっか。気遣ってくれてたんだろ。お前、身体の調子おかしかったみたいだから。」
 二人は連れ立って玄関を出て行く。


 「もう大丈夫なんだけどなあ。あ、そうだ。夢子ちゃんにもお礼いっとかないと。」
 「・・・いいけど、夢子さんは部活だろ?邪魔になるんじゃないか?」

 「大丈夫、今日はバトン部はグラウンドでやってるはずだから少しくらいなら話できるよ。」

 「ふーん、夢子さんのこととなると詳しいな。」
 からかうように言うとケン一は少し頬を染めた。
 
 「・・・いいじゃん。別に。ケムマキ君だって夢子ちゃんのこと好きだったろ? あ、でも僕負けないからね!」
 ケムマキは少年らしい反応をするケン一を見ておかしそうに笑う。
 「いーよ、別に夢子さんでなくても。オレもカッコよくなったから女の子は選り取りみどりだしv」

 「うーわ、悪い奴ー。」
 冗談交じりのたわいもない話を楽しみながら、二人は夢子がいるグラウンドに着いた。



 「夢子ちゃーん!」
 「あ、ケン一君。ケムマキ君も。」
 夢子はちょうど自主練に入ったところらしく、グラウンドに続く階段のすぐ下で練習していた。


 十分に声が届くところなので二人はそのまま話を続けた。
 「今から帰るの?」
 「うん、今日はいろいろとありがとうね。」

 二人はにっこりと笑い

 ケン一はじゃあ、と声をかけようとした。




 ドクン
 
 
 

 ・・・時間だ。







 「・・・・・・・・・・!」


 熱い。

 『熱いか?ケン一。』
 少しはなれたところに居るはずのケムマキの声。
 耳元で聞こえる。


 (あ・・・・・・!)


 「何、夢子さん、オレには挨拶無し?」
 

 ケン一の背後からすっと姿を現しケムマキは声をかける。


 「あら、ケムマキ君たら。」
 くすくすと楽しそうに笑う。

 ケムマキは話をしたままケン一のやわらかな臀部に触れる。
 
 (う・・・・・っ)
 声は出せない。
 夢子が傍に居る・・・。


 「じゃあね、ケムマキ君、ケン一君。また明日。」
 
 夢子はなんら不信に思うことなく、その場を去っていった。


 

 「よく我慢したな。」
 

 ぎゅ・・・。
 
 夢子がいなくなったとたんケムマキは遠慮なくケン一自身を握った。
 「あ・・・ぁっ・・・ぅ・・・!」


 「なんだよ。イきそうなんだろ?イけば?」
 くすくすくすくす


 「や・・・だっ・・・やめ・・・・人、が・・・。」
 ケムマキの袖を握り締めケン一は必死で耐えようとした。

 信じられないほどに敏感になった肢体。
 

 ケムマキはこれを待っていた。


 「そうだよな。人に見られなきゃ大丈夫だよな?」

 ケムマキはケン一の肩をとって校舎の間に入る。
 「これでいいんだろう?」
 
 確かにどの窓からも死角になるところだが、人が来ないとは限らない場所だ。
 「い・・・ゃ・・・・。」
 ケン一は何度もかぶりを降る。

 「これ以上のわがままは聞いてやれねーんだよ。ケン一。」
 悪魔のような笑み。
 
 ケムマキは立たせたままケン一のズボンを下着ごとおろす。
 「ひ・・・っ!な、何す・・・。」
 「イけ。」
 
 つい、とケムマキはケン一のそれに指をはわせた。



 ただ、それだけで。

 「あぁあああっ・・・・!」














 
To be continued・・・